メングヴィ村直伝のヤギのスパイシー串焼「サテ・カンビン」
さて、バリのヤギ料理。有名なのは、「サテ・カンビン」というヤギ肉の串焼きだ。バリでは肉は少しかためのほうが好まれていることもあり、この店でも肉は少しかために仕上げている。数日間ねかしたコクのあるピーナッツソースをたっぷり肉にからめてヤギ肉をかみ締めると、肉のエキスがソースと混ざりあい、かみ締めればかみ締めるほど虜になる味わいだ。
高級肉を評するとき、“この肉はやわらかくてとろけるようだ”という表現がよくつかわれるが、それはどうだろうか。肉はかみ締めてこそ、力強いおいしさというものが出るのではないのだろうか。この肉を食べるとそんなふうに思えてならない。
この店でヤギ肉の串焼きを食べるときは、ぜひバリ流に肉をしっかりとかみしめ、ピーナッツソースとの相性を愉しんでいただきたい。のんびりとした村の光景がふっと浮かび、きっと野性味と素朴さが感じられるに違いない。
そうそう。気になるヤギ肉の香りだが、この店ではあまり強くなくて食べやすい。
「バリではもっと香りが強いんですけどね。日本で仕入れているからどうしても・・・」オーナーは少し残念そうにこんなふうにおっしゃっていたが、わたしも同意見。もう少し香りがあってもいいかなぁ、とは思ったけれど、多くの人にバリのヤギ肉を楽しんでいただくには、やっぱりこのくらいのほうがよいのかもしれない。肉の香りが強いものが好きな人にはきっともの足りないだろう。でも、それ以上に濃厚なソースの味がご堪能いただけるのではないかとおもう。
パワーあふれるバリのヤギ料理。注文してから作るその味わいには、間違いなく元気になるヒントがたくさん詰まっている。ちょっと疲れたかな、とおもったら、バリのヤギ料理で元気をとりもどしてはいかがだろうか。
最後に、この店のタレやソースは、味わい深くてとにかくいける!いままでバリ料理は甘ったるくてどうも・・・とおもっていたひとにもおすすめしたい1軒だ。
※幡ヶ谷のインドネシア料理店「GAJAH ガジャ」は閉店いたしました。
■バリ料理 「GAJAH(ガジャ)」