おまちかね! 最も気になっていた料理の登場!
追加でオーダーした「カルトフェルルュスターとイトウのソテー フェンネルとトマトのコンフィー サフランの香り」。 |
当然まずはイトウのソテーから。ふわっとやわらかな身質を実感した直後、とても繊細な香気が鼻腔に流れます。ふつうなら、「あ~、とても上品な味わいだなぁ」となるところですが、このイトウのソテーは違います! 咀嚼するごとに、じゃがいもの濃厚なコク、包容力のある香りがイトウの旨みをやさしく包み込んでくれるのです。
とはいえ、どこからじゃがいもが…?と思うことでしょう。実はこのイトウには、すりおろしたじゃがいもをつけて焼いてあるんです。じゃがいもと白身魚、この相性の良さには唸らされました! スプーマから漂うサフランのあま~い香りも、鼻腔を撫でるかのようにスーッとすりぬけていくので、しみじみとその余韻に浸ることができました。
これぞ職人技です!
「“仔牛のプラーテン” 押し麦とアンズ茸のラグー」。この美しい色合いにはくらっときます。 |
しかし、それだけで満足してはいけません! つけあわせの押し麦&アンズ茸のラグーが、主役の仔牛に負けず劣らずの存在感! こちらもガツンと濃厚な味わいではないのですが、両者が口の中で渾然となると、未だかつて経験したことのない、何ともキレイなマリアージュが生み出されるのです! 通常、やさしいもの同士が手を取り合うと、味の輪郭をつくり上げるのがたいへんですが、ここでは、味がボケない程度の最小限の塩遣いをしている感じ。火入れ、塩加減、味の調和…、そのすべてにおいて、凄さを実感させられた一品ですね。
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