美食/来栖けい おすすめ店

カー・ウント・カー(赤坂)(3ページ目)

2006年3月6日にオープンしたオーストリア料理店。料理はもちろん、器やグラス、ワインに至るそのすべてがオーストリア製。一度行けばリピーターになること必至です!2006年最大のヒットの予感!

執筆者:来栖 けい


おまちかね! 最も気になっていた料理の登場!

カルトフェルルュスターとイトウのソテー フェンネルとトマトのコンフィー サフランの香り
追加でオーダーした「カルトフェルルュスターとイトウのソテー フェンネルとトマトのコンフィー サフランの香り」。
ここでいよいよ、食べる前から気になっていた「カルトフェルルュスターとイトウのソテー フェンネルとトマトのコンフィー サフランの香り」の登場です。

当然まずはイトウのソテーから。ふわっとやわらかな身質を実感した直後、とても繊細な香気が鼻腔に流れます。ふつうなら、「あ~、とても上品な味わいだなぁ」となるところですが、このイトウのソテーは違います! 咀嚼するごとに、じゃがいもの濃厚なコク、包容力のある香りがイトウの旨みをやさしく包み込んでくれるのです。

とはいえ、どこからじゃがいもが…?と思うことでしょう。実はこのイトウには、すりおろしたじゃがいもをつけて焼いてあるんです。じゃがいもと白身魚、この相性の良さには唸らされました! スプーマから漂うサフランのあま~い香りも、鼻腔を撫でるかのようにスーッとすりぬけていくので、しみじみとその余韻に浸ることができました。


これぞ職人技です!

“仔牛のプラーテン” 押し麦とアンズ茸のラグー
「“仔牛のプラーテン” 押し麦とアンズ茸のラグー」。この美しい色合いにはくらっときます。
肉料理は、「“仔牛のプラーテン” 押し麦とアンズ茸のラグー」です(「プラーテン」とは、煮込み、ロティetc…、いろいろな意味がありますが、ここではロティ)。この火入れの素晴らしさは、写真を見ただけでもわかることでしょう。鮮やかな色合いの仔牛ロース肉(国産)。これぞまさにビヤン・ロゼです! 「仔牛」ということで、適度な噛み応えはあるのですが、それ同等のやわらかさも備えており、噛むほどに淡く上品な旨みと、ほのかなミルク香が広がります。

しかし、それだけで満足してはいけません! つけあわせの押し麦&アンズ茸のラグーが、主役の仔牛に負けず劣らずの存在感! こちらもガツンと濃厚な味わいではないのですが、両者が口の中で渾然となると、未だかつて経験したことのない、何ともキレイなマリアージュが生み出されるのです! 通常、やさしいもの同士が手を取り合うと、味の輪郭をつくり上げるのがたいへんですが、ここでは、味がボケない程度の最小限の塩遣いをしている感じ。火入れ、塩加減、味の調和…、そのすべてにおいて、凄さを実感させられた一品ですね。


次ページは、世界でも稀な「貴腐ワインブルーチーズ」について。
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