大阪グルメ/大阪のフレンチ

Hajime(レストラン ハジメ)(5ページ目)

今、関西最高のフレンチレストランである「Hajime Restaurant Gastronomique Osaka Japon」。類稀なセンスから生み出される料理世界は、まさに次世代フレンチのフラッグシップといえるでしょう。

執筆者:麻生 玲央

本能を刺激する、艶めかしい肉料理


・agneau
肉料理。
この艶めく肉肌が、何とも官能的なまでにソソるのです。
肉メインは、仔羊。皿が運ばれてきた瞬間に、その肉肌から放たれる艶めかしいロゼ色の肉質と肉薫に、心が奪われるように惹きつけられます。レアでもなく、ミディアムでもなく、生でもない。余分な火入れや、一切の無駄を削ぎ落とした、必要最低限にまで洗練された究極の火入れ加減が、これだけの絶妙な焼き状態を保持させているのでしょうね。

シェフの描き出す料理は、素材の本質を浮き彫りにするかのような、「徹底して素材を活かす」ことに注力した調理というか、素材の本質をピークに持って行くための、ありとあらゆる試行錯誤の結果として、現時点で出来うる最高の調理が施されている気がしますね。

ですので、シェフの料理は、イマドキの低温調理などではなく、調理プロセスとして、低温で火入れする時もあるぐらいで、実際には様々な調理法によって、丁寧な火入れが施されているワケです。

仔羊料理。
じっくりと味わいたくなる舌触り。
例えば、この仔羊料理に関して言えば、赤外線で肉の緊張を解しながら均一に火を入れ、さらにサラマンドル、炭火などを使い分けつつ、合計で3時間かけて仕上げられているとのこと。

よって、肉全体が一切のムラもなく、均等に火が入りつつ、外側は香ばしく仕上がっており、新食感ともいえる仔羊料理が完成。数種類の調理器具を駆使し、時間をかけて作り込まれるからこそ、低温調理だけでは描き出せない、高次元の料理が生み出されるのです。

もちろん、シェフは自身の料理について、今までに一切、低温ということばで調理技術を称したことはないと仰っていましたし、真のガストロノムであれば、先入観なしで肉(魚)料理を食べた瞬間に、その調理プロセスにおける凄味というものを実感できるハズ。

ネットや雑誌では、シェフの料理について、低温調理を謳い文句のように書いてあることが多いですが、苦労して生み出した料理を、低温という言葉だけで片づけられたら、シェフの苦労も報いられませんよね。

次ページでは、デセール(デザート)編を御紹介します
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