ノーラ・コーリさんが書かれた『海外で安心して赤ちゃんを産む本』 |
いろいろな国の出産事情に詳しい彼女に、海外出産で外国籍を取ること、海外出産のリスクを伺いました。
海外出産で外国籍を取るということ
海外出産を選ぶ人の場合、もちろん夫の仕事の関係で仕方ない人もいますが、外国籍の取得を目的として海外出産を選ぶ人も少なくないようです。
日本人夫婦から生まれた子どもでも、生まれた国が、その国で生まれた者のすべてに国籍を与える制度を採っている国(アメリカ、ブラジルなど)の場合には、日本国籍と産まれた国の国籍を持つことができます。
ただし、日本では22歳の段階でどちらかの国籍を選ばなくてはなりません。
子どもの出生の届出と一緒に、国籍留保の届出をしないと、その子は生まれた時にさかのぼって日本の国籍を失ってしまいます。詳しくは「民事局」国際結婚,海外での出生等に関する戸籍Q&A渉外戸籍のホームページを参照してください。
海外での出産のリスク
外国籍取得目的の出産の場合は、短期の滞在になります。そのような海外出産におけるリスクとしては、どのようなものがあるのでしょう。
●日本語が通じない
日本語が通じないと言うこと。日本語が通じると言われている病院であって、ドクターはある程度の日本語を理解できても、看護師さんは日本語が話せないと言うケースもあります。
●出産費用が自費になる
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、グアム、サイパンなどの場合は長期滞在者や現地人向けの医療保険がありますが、海外から行ってすぐに入れるものはまずないでしょう。
出産はリスクが伴うものです。それまで順調であっても、出産時に急な医療処置などが必要になった場合はそれだけ出産費がかさむことになります。
●滞在費がかかる
出産前に外国に入り、陣痛を待ったり、無痛分娩を選ぶことになりますが、産まれたばかりの赤ちゃんをすぐに連れて帰るのは無理ですから、出産前後約3カ月間の滞在が必要になります。その間の滞在場所・滞在費をどうするのかと言う問題もあります。
また夫が仕事などの関係で出産時のみの滞在になってしまう場合、滞在先近くに知り合いや頼れる人がいないと、産後の自分自身のケアや、産まれたばかりの赤ちゃんのケアをすべてひとりでしなくてはなりません。
●出産の方法を選ぶ必要がある
海外の病院の場合、麻酔はどうするのか、いつ出産するのか、産後はどうしたいのかなどなど、とにかく自分で選択することを求められます。
選択するためには、ある程度の知識が必要ですし、自分で決められる意志を持っていなければなりません。書面で行われるケースがほとんどですから、現地の言葉を理解できることも必要です。
もちろん出産方法や赤ちゃんのケアなど、自分で選びたいという人にとっては、自分の意志で選択できることが多いので、自分のイメージした出産に近い体験ができる可能性も高くなります。
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取材協力:Care the World
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