海外出産・育児コンサルタントのノーラ・コーリさん |
今回は、彼女の考え方を通して子どもの名前について考えます。
名前をちゃんと呼ばれない悲しさ
子どもの頃から海外生活が長かったノーラ・コーリさん。もちろん最初、彼女は日本の名前で生活していました。「アメリカ人が発音しにくい名前というのがあるんですよね。私の名前は、難しくていつも間違って呼ばれることが多かった。誰もちゃんと読んでくれなかったんです」
7歳でアメリカに渡った彼女は、名前をきちんと呼ばれなかった。そして、その名前が男の子の名前のようだったことから、笑い者にされたそう。このような幼少の頃の経験は、彼女の名前に対する考え方の根底の部分になったのかもしれません。
そんな彼女の沈んだ日々を救ったのは彼女の友人。友人に発音しやすい名前をつけてもらったおかげで、明るさを取り戻せたそう。
その後彼女は帰国して、日本で元の名前での生活を続けます。そしてまた渡米。高校生になった彼女はまたも、ちゃんと名前を呼ばれない屈辱を味わったそう。
この時、友人が「ノーラ」という名前を付けてくれた。そのおかげで、友だちにも先生にも名前を覚えてもらえるようになり、生活が楽しくなっていったそうです。
結婚をきっかけに改名
その後また日本に戻ってきた彼女。元の名前は使わず、通称でノーラ・コーリと使っていたそうですが、結婚によって名字をどうするかという問題に直面しました。
日本では結婚することで、夫婦どちらかの姓を名乗ることが義務づけられています。夫婦別姓については幾度となく法案が提案されているようですが、いまだ法案成立の見込みは立っていないようです。
「夫の名前を使用することは、彼の一部となり所有されるような気がした」という彼女、その気持ちは夫になる彼も同じだったそう。彼自身も、自分の姓を変えることは養子と思われるのではないかということで、自分の姓を変えたくはなく、ノーラさんは慣習に従ってやむを得ず夫の名字を戸籍上選んだそうです。
「残された道は改名しかなかったんです」というのが彼女の答え。
通称として用いていた「ノーラ」という名前を戸籍上の正式名とし、旧姓となる「郡」は「コーリ」として名前の一部として残すことに。夫の名字は戸籍上に「○○○」と登録し、通常は「ノーラ・コーリ」と名乗ることにしたそうです。