マレーシア料理がおいしいわけ
マレー系の屋台料理。素焼きの魚など、和食に通じる料理も多い
マレーシアで一番ポピュラーな挨拶の言葉、何だと思いますか? それは「スダマカン?(ご飯食べた?)」。初めて会った人にも、スダマカン? ビジネスの場面でも、スダマカン? 意味としては「おいしいご飯を食べられるぐらい元気かい?」というニュアンスで、「スダー(食べたよ)」と答えれば、「よかったよかった。安心だね」とみんな笑顔。
インド系屋台の名物テタレ。コンデンスミルク入り紅茶
こんなふうに、マレーシア人は食事の話題をよくします。食事はとても重要で、人間関係、いや、社会の中心にあるといっても過言ではありません。その理由は、マレーシアが多民族国家、ということにあります。マレー系(約65%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)のおもに3民族が暮らし、宗教、行事、風習などは民族ごとにバラバラ。食事もそのひとつで、中国系は祖先が暮らしていた郷土の料理を好み、タミール出身のインド系は南インドの料理を贔屓にしています。つまり、食事は、じぶんたちのルーツを確認し、近しい人との絆を深める手段。そしてまた、違う民族の人々と共に味わうことのできる重要な場でもあるのです。大切にされている食事はおいしい。マレーシアの食事には、人の想いがあり、受け継がれている歴史があるのです。
それでは、マレーシア流の食事を楽しむコツを伝授しましょう。
マレー系、
中国系、
インド系、
ニョニャ系、
おやつと、ジャンルごとの代表料理は別の記事で紹介していますので、そちらも合わせてご覧くださいね。
食事を楽しむポイント1 辛さは自分でカスタマイズしよう
マレーシア料理って辛いの?とよく聞かれますが、ベースはほとんど辛くありません。というのも、辛さの強いチリ醤油やサンバルブラチャンは料理とは別添えになっていて、じぶんで調節することができるのです。お皿の隅っこに真っ赤なペーストが乗っていたら、それはチリ。最初からぜんぶ混ぜてしまうのではなく、味見をしながら調節をしましょう。
食事を楽しむポイント2 カタコトの英語でいいので、聞いてみよう
ローカル屋台を楽しみたいけど、味がよく分からない……と思ったら、ガイドブックで調べるよりも、お店の人や隣の人に聞いてみましょう!マレーシアは英語が通じるので、「それ何?」「辛いの?」「おいしい?」と英単語で話しかければ大丈夫。人懐っこいマレーシア人ですから、ジャスチャー、指さし、表情を駆使していろいろ教えてくれます。
食事を楽しむポイント3 信じるものは救われます
屋台にメニュー表が無いことはしょっちゅう。たとえば経済飯と呼ばれる食事は、お店の人の言い値で会計。魚の仕入れが高ければ、昨日と同じ料理でも値段が高くなるのです。マレーシアの屋台は信用第一。もし変な商売をしたら、あっという間に噂が広がりお客さんが来なくなります。なので、料金明示が無くてもぼられることはありませんから、ご安心を。
食事を楽しむポイント4 民族ごとのレストランを見分けましょう。
トゥドゥンと呼ばれるスカーフで髪の毛を覆った女性が数多くいれば、そこはマレー系のレストラン。Tシャツ短パンのラフな格好のおじさんが多いのが中国系レストラン。インド系のレストランは、彫の深い美形なインド系女性がいます。民族ごとに食べられる料理が違うので、店内に入る前に客層を見て、ジャンルの検討をつけておきましょう。