目には見えない個性が見えてくる
暗闇に入場する前に、視覚障害者であるアテンドから話を聞く。通常のダイアログ・イン・ザ・ダークは、季節ごとに設置している施設やアトラクションが変わります。 |
暗闇のスペシャリストであるアテンドや、そばにいるメンバーに頼るしか進む術がなくなる。何度も互いのアダ名を呼び合いながら、触れ合いながら(自然と手をつないでしまう!)進むから、おのずとお互いの存在を覚えてしまう。
闇の中に広がる大自然をみんなで探検していく。最初は川にかかる丸太の橋を渡ることすら及び腰。そばに居る人と手をつなぎ、声をかけあって歩く。
すると、ひたすら怖いだけだった暗闇が何だか面白くなっていく。いたるところから小鳥や虫の鳴く声が聞こえるようになる。木の葉の匂い、頬をなでる風の感触が気持ちよくて、開放的な気持ちになっていく。
みんなで“花いちもんめ”をしたり、日本家屋の中に忍び込んでミカンをわけあって食べたり、暗闇の中にあるBarでヴァイオリンを聴きながらワインを飲んだり……。さまざまなアトラクションを楽しみ、いろんなことを発見していくうちに、全員の声とアダ名の判別はもちろん、目には見えない、その人の個性が自分なりに理解できるようになる。これが、何とも不思議なことに――。
その不思議については、次のページにて。