子供の恋愛から大人の恋愛へ…
2007年に発表した作品「レ・シャンソン・ダムール」はパリ10区を舞台にしたミュージカル仕立てのコメディだった |
クリストフ・オノレ監督:私は日本人ではないし、恋愛のスペシャリストでもありませんが(笑)まず、映画に関していえば感情を表現することは重要ですが、撮影では妙に感傷的な感じになるのは避けるようにしています。恋愛でもセンチメンタルになりすぎないほうがいいのではないでしょうか。
また、恋愛で自分の気持ちが伝えられない、臆病な自分を乗り越えたいというのであれば、歌を使うのもひとつの方法だと思います。音楽は臆病な自分を乗り越えるツールになると思います。
そして、大人の恋をする秘訣ですが、思春期の恋愛と大人の恋愛の一番の違いは、恋に恋している状態と相手を受け入れて恋をしているかにあると思います。子供の恋愛は自分自身を愛しているようなナルシスト的なものであるのに対して、大人の恋愛とは相手の中に理想的なもの、人を惹きつける部分を見つけながらも、欠けている部分も認めるもの。完璧でない人間だと相手を受け止めることが大人の恋愛だと私は考えます。
フランス映画祭の団長・ジュリエット・ビノシュ |
3月12日、六本木ヒルズで行われた「フランス映画祭2009」オープニングセレモニーで映画祭団長のジュリエット・ビノシュがフランスの新しい才能あふれる映画作家ということでクリストフ・オノレ監督の名前を挙げていました。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督版『クレーヴの奥方』でクレーヴ夫人役を演じたキアラ・マストロヤンニがカメオ出演したカフェでのエピソードを聞いたときに、きっと監督はパリのロマンチックなデートスポットや愛が深まりそうなカフェをあちこちご存知なんだろうなぁと思ったのでした。いつか機会があったら(あるのかな?)、監督おすすめのパリのカフェやデートにおすすめの場所を教えていただきたいです。
【クリストフ・オノレ監督プロフィール】
1970年ブルターニュ生まれ。「カイエ・デュ・シネマ」他で記事執筆の傍ら、作家、シナリオライターとしても活躍。2002年の長編監督デビュー以降、順調にキャリアを重ね、今作は5作目。近親相姦、同性愛、エイズなどのテーマを扱う一方、軽やかで現代的にパリの若者を描くその手つきは新世代ヌーヴェルヴァーグのひとつのあり方を示す。
『美しい人』原題:La Belle Personne
監督:クリストフ・オノレ
出演:ルイ・ガレル、レア・セイドゥ、グレゴワール・ルプランス=ランゲほか
2008年フランス映画/35mm/ドルビーSRD/100分
■フランス映画祭2009
公式サイト
期間:3月12日~15日
開催場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
主催:ユニフランス