直前に悲しい知らせ

スコットさんたちの結婚式出席で日本に来た時のおじいさんとおばあさん
その訃報が届いたのは、9月5日でした。

日本の結婚式にも来てくれた、スコットさんのお父さん方のおばあさんが、前の週に、叔母さんの家の近くの坂道で転び、入院したことは知っていました。その病院に電話したのは、わずか3日前のこと。病室にいたおばあさんと携帯電話で話すことができ、思いのほかお元気そうで、「赤ちゃんはまだ出てこないよー」などと話していたそうです。直美さんとは「ハーイ」と挨拶を交わしたのが最後の言葉となりました。

おばあさんは寝ている間に心筋梗塞を起こしたそうで、朝には既に亡くなっていたのだそうです。

日本に連絡がきた時、スコットさん宅には、結婚式で司会をしてくれた親友のカップルが遊びに来ていました。しかし、電話に出たスコットさんの様子ですべてを察し、友人らは黙ってハグをして帰っていったそうです。その後、スコットさんと直美さんは号泣。ひ孫の誕生を楽しみにしてくれていた優しいおばあさんを思って、いつまでも涙が止まりませんでした。

最期まで凛として逝ったおばあさん

アメリカの結婚披露宴での記念写真より
その日、おじいさんからも国際電話がありました。おじいさんも電話口で号泣されていたそうです。本当に仲のよいご夫婦でしたから。同い年の日系二世で、つらい時代を、ともに手を取り合い支え合って生きてこられました。その掛け替えのない伴侶を亡くされたのです。直美さんは、周囲に臆せず大声で泣かれるおじいさんを、すごくピュアで、自分の弱い部分も見せられる真に強い人と感じられたそうです。

日頃から、ふとおばあさんに会いたくなることがあったとおっしゃる直美さん。言葉はあまり交わせなかったけれど、目と目ですべて分かり合えた方でした。尊敬していることをいつも伝えたかったし、お手紙も書いていたのに、まだ投函していなかったのだそうです。それほど急な出来事でした。
「でも、きっとおばあさんは、分かってくれていたと思います」

直美さんのお母さんも、「まだ2回しかお会いしたことがない人なのに、こんなにも愛せる存在になるなんて……。人って本当に心次第なのねえ」と、おばあさんの人柄を想って、涙しておられたそうです。

本当に突然のことでしたが、「最期は寝込んで苦しんで……ではなかった。そして何より、おじいさんに看病疲れをさせなかった」と直美さん。最期まで周囲の人のことを思い、凛として旅立っていかれたおばあさんでした。


不思議な絆、ふたたび……