不安をつのらせる外国人被災者
本震が起きた10月23日から既に2週間以上も過ぎている新潟県中越地震ですが、いまだに強い余震が続いています。被災地の長岡市や小千谷市などには、留学や企業研修などで2000人を超える外国人が住んでおり、長岡市では6箇所の避難所に約250人の外国人が避難しているそうです。
災害時は、避難所の表示やラジオの外国語放送など、多言語による支援が早急に必要となります(表示シートは横浜市国際交流協会作成) |
夫婦のどちらかは必ず“外国”に住まなければならない国際結婚カップルにとって、こうした自然災害時の二重三重の不安はとても他人事ではありません。
現在、日本国内には外国人被災者たちを支援する団体が複数あり、本震直後からさまざまな活動を進めています。
私たちにできることは、何があるでしょうか?
「言葉の壁」による孤立感と余震の恐怖
あまりにも地震の被害が大きいため、一部の外国人被災者のことは、TVのニュースなどではほとんど報じられていませんが、東京新聞では26日に「新潟中越地震 孤立する外国人被災者『母国の家族が情報源』」という記事で、詳しく伝えています。記事によりますと、やはり言葉の問題で外国人被災者たちは当初孤立状態にあったとのこと。
オーストラリアから来ていた英語教師は、アパートがめちゃくちゃになり、日本人の友達が教えてくれた避難所には行けたものの、その後の情報は、母国でニュースを見ている家族がケイタイにくれる電話が頼りだといいます。
同じく避難している日系ブラジル人の家族は、日本の会社で働くお父さん以外は日本語があまり話せません。特に奥さんは日本語がまったくできないため、余震が起きたときのことが心配で、ひとり残して仕事に行けないとのこと。
また、長岡市には東南アジアからの留学生も多いそうです。彼らは母国で地震を経験したことがないため、余震での恐怖心はつのるばかり。情報も錯綜していて、パニック状態になりそうな人もいるそうです。
共通して言えることは、
・地震に慣れていないので不安や恐怖心が大きい。
・日本語が分からない人には、余震がくる可能性や天気・気温の変化など、
大事な情報が伝わっていない。
・避難所に張り出される食事や援助物資の配給時間などが読めない。
・周囲の人や町内会の人と意思の疎通がはかれず孤立する。
などがあります。
これらのストレスから精神状態が悪くなる人もいるようで、言語や物資のサポートだけでなく、今後は心のケアも必要になってくるかもしれません。
▼記事の全文はこちらへ
「Chunichi Web Press」 東京新聞 特報
2004.10.26 「新潟中越地震 孤立する外国人被災者 『母国の家族が情報源』」