人は誰でも「懐かしい味」を持っているものだ。それは「ふるさとの味」だったり「おふくろの味」だったりするのだが、いずれにしても「小さい頃から慣れ親しんだ味」と言っていいだろう。
現代の子供たちが、ハンバーグやスパゲティを「母の味」と思うように、その味は時代や各家庭によって違ってくる。お母さんたちは、自分の懐かしい味をどこかで踏襲しつつ、新しい自分たちの「家庭の味」を作っていくのである。
では、国際結婚カップルの「家庭の味」とは、どんな味なのだろう?

こういう話を聞いたことがある。
アメリカに留学していた女の子が、疲れた時に「あー疲れた。お茶漬けが食べたい!」と言ったら、アメリカ人のルームメイトが「私も疲れたー。ピーナツバターをたっぷり付けたサンドイッチが食べたい!」と言ったのだそうだ。
これを聞いたある人は、この「お茶漬け」と「ピーナツバター」の間には、埋められない大きな溝があるのではないか、と感じたそうなのだが・・・

食べるという行為は、日常生活の中の最も基本的な行動である。それだけに、お互いが育った文化や生活観の違いが出やすい部分であるとも言える。
洋食慣れしている日本人は、おそらくパン食中心になってもある程度までは適応できると思うが、それでもやはり時々は米や醤油の味が恋しくなるものだ。しかしパートナーが「ご飯粒きらい」という人だったら・・・。しょうがない、一人お昼を食べる時にご飯を炊くか、たまに友人と外食できる時に、頼んで日本食レストランに行かせてもらうか、などしてしのいでいるのである。

しかしまあ、これらは少数派であって、ほとんどのカップルは、お互いの国の食文化を尊重し、両方の味を家庭に取り入れようと、妻は日夜努力しているのである。そんな様子が感じられるのが、「私のおすすめサイト」の「各国料理のレシピ紹介」。パートナーの国で覚えた代表的料理、ご主人のお母さんから教わった彼にとっての「おふくろの味」など、みなさん楽しく「我が家の味」づくりに取り組んでいるようである。

子供がいると、またさらに気を使うようになる。やはり両方の国の文化を伝えたいという思いがあるので、季節の行事に合わせたお料理を作ることを、より意識するようになるのだ。たとえば、お正月のお雑煮、北米やヨーロッパのクリスマス・ディナー、アジアの旧正月のお料理などである。日本食が入手しにくい地域もあるので、食材を揃えるのも容易なことではないが、それでも親としては、日本の伝統的行事も、その味とともに覚えていってほしいと思っている。

そのうち、「お茶漬け」と「ピーナツバター・サンド」が一緒に食卓に並ぶ家庭も出てくるかもしれない。それはそれで、子供たちにとっては新しい「(国際結婚)家庭の味」になっていくのではないだろうか。

<関連サイト>
Holiday Menu In USA(Little Darling)
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