色打掛って?
華やかな色打掛は、花嫁和装ならではです。【写真協力:Color Clips】 |
武家社会では、「嫁ぎ先の色に染まる」という意味もある白無垢で嫁ぎ、その後、嫁ぎ先が準備した色味のある小袖に着替えることによって、「婚家の人になった」とされていました。この武家の風習のなごりが現在のお色直しの習慣です。
さまざまな色を楽しむことができる色打掛。
白無垢と違い、色や柄など好き嫌いがわかり易い衣装です。試着の際は顔映りもチェックしながら選びましょう。
色打掛のヘッドドレス
トラディッショナルな雰囲気バッチリの文金高島田に角隠し。由来の1つに、女性が京都の宮中にはじめて仕える際、頭に巻いた「桂巻き」という白絹から、この角隠しの習慣が生まれたとされています。【写真協力:Color Clips】 |
色打掛で挙式をおこなう場合は、角隠しをつけます。角隠しはいろんな由来がありますが、おそらく一番メジャーなのが「女性の角を隠す」というもの。
怒りの象徴である角を隠して、おしとやかな妻になるように…とか、女性は嫉妬から鬼になるなんて言われていたので、それを沈めるためという、女子が聞いたらなんだか納得いかない謂れがあるんです。
本来は、白無垢のときだけ被れた綿帽子も、今は色打掛と同色の綿帽子もあり、それを色打掛に合わせることもできます。
モダンな雰囲気をプラスする洋髪もオススメです。【写真協力:Color Clips】 |
今年はじめにご結婚された沢尻エリカさんも、金や赤の刺繍が印象的な白い打掛に洋髪・ダウンスタイルでした。そこに合わせたのが、ユリでつくられた綿帽子とも角隠しともとれるヘッドドレス。綿帽子、角隠しをつける慣わしを汲み取りつつ、彼女らしい個性的なスタイルになっていましたね。
色打掛の種類と選び方
色打掛でのケーキカットも華やかでステキです。ヘアスタイルもダウンにしてカジュアルさをプラス! |
色打掛のおもな種類は、
染め物/織り物/刺繍物の3つ。これらは同じ柄でもテクスチャが変わるので、印象が違います。
染め物の代表格の友禅(ゆうぜん)。名前は聞いたことがあるのでは? 特に絵を描くように染められる手書友禅は、色遣いやぼかしなど、しなやかで美しい打掛です。織り物の1つで能の衣装にも使われる織りが唐織です。柄を織り込みながらつくられるので重厚感があり、ゴージャスな印象を与えます。刺繍物は、格調高い相良刺繍が有名。近くで見ると、玉結びのようなもので柄が作られているのが分かり、印象主義の画家スーラの点描を思い出せます。立体的で色の調和が美しい、最高級とされる刺繍です。
基本的には、大柄の花嫁なら絵画のような絵羽模様、小柄な花嫁には細かい柄が似合います。
絶対、色打掛を着たい! と心に決めている花嫁は、色打掛の種類が豊富なショップを選びましょう。ドレスと違い、サイズの不安がほとんどないので、いろんなタイプを見ることで見る目が養われます。そしてとにかく気になる打掛は羽織ってみること、これが鉄則です。