世界基準の味を求めて

このレストランは間違いなく日本が世界に誇れる名店だと思う。それは、恵比寿のウエスティンホテル内にあるチャイニーズレストラン龍天門。ある意味、この味を知ってしまうのは不幸なのかもしれません。例えば広東料理の本場、香港の超有名店に赴いてもなぜか色あせて感じてしまうから。昨年からこの時期に飲食業界で話題になるのがミシュラン掲載店のことだ。龍天門は今年も星を逃している。「なぜ?」ここを知っている人ならば、誰もがそう思ってしまうに違いない。今回はランチメニューに加えて、常連しか知らない、とある裏メニューを含めて、龍天門の魅力に迫ってみたいと思う。

広東料理界の重鎮

陳啓明さん(左)菜々山(右)
同店の厨房を取り仕切るのが、料理長の陳 啓明(ちん けいめい)さん。広東料理界で知らない人はいないほど人気、実力共に兼ね備えた方なのです。以前から陳さんの作りだす料理のファンだった私。初めてハムユイ(干し魚)チャーハンを食べた時のことを思いだしました。独特のクセのあるハムユイを使い、あくまで「上品」の粋を守りつつ、香りと臭みを分けるギリギリのラインを迷いなく付いてきたこの一皿に魅了されてしまったのです。彼のポリシーは「自分が納得できないものは客には出さない」それは料理人として当たり前のこと。しかし、それがいかに高い次元のことであるかは、その料理を一口食べればお分かりいただけるでしょう。

では、その料理を、次ページでご紹介します。