古典そばは、石臼でざっくりと碾いて、荒い篩でととのえた、いわゆる粗碾そば。

▲存在感のある麺線の古典そば
つるつると啜るというわけにはいかないが、もちもちと噛みしめて旨い。粗碾好きにはたまらない一枚である。

▲長くはないが、独特の甘みがある
さて、食後の愉しみはそば湯である。地水庵のそば湯は、釜から汲んできたものではなく、わざわざ仕立てたもののよう(だって、一日30枚しか売らないわけだから、釜の中が開店したてでこんな濃度になるわけがない)。とろりと濃厚だ。

▲頃合いを見計らって、提供される
いたく満足した。帰りがけに奥様からお話を伺った。「二足の草鞋」とあるのは、蕎麦やばかりでなく、他になさっていることがあるからだそうで、それをお知らせしているとのこと。
また、今回戴いたそばがとても美味しかったので、そのことをお伝えすると、この蕎麦は昨年(2004年)に自家栽培したものだという。品種は不明だが岩手在来らしい。
栽培はさほどの面積ではないそうで、普段は製粉所に仕様書発注しているとのこと。私はとてもラッキーだったというわけだ(もちろん、この腕前である。ふだんのお蕎麦も素晴らしいに違いない)。
【地水庵】
せいろそば 900円
古典そば 1000円
野菜天ぷら 700円
そばがき 800円
北緯38度59分/東経141度06分
岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関1-3
JR東北本線平泉駅から徒歩20分
0191-46-5484
11:30~15:00(売切れじまい)
火・水曜休 (臨時休あり)