2004年、一町歩(3,000坪)蕎麦栽培の世界
農業が適切に機械化されると、驚くほど効率よく作付けができるということを、身をもって体験している。確かに、手作業でまかなえる範囲の面積で栽培することは、作物と真摯に向き合うという意味で意義深いことである。しかし、どんなに狭小な面積であっても、厖大な労力を費さねばならないことを覚悟しなければならない。そもそも農業の進化は道具の発展の歴史そのものなのである。もしも手近に道具が調っているのだったら、それを使わない手はない。
一町歩の作付け風景なんて、なかなか見られるものではないと考えて、緊急レポートする。
■原農場から農機出動風景
2004年8月21日、埼玉県坂戸市。薄曇りで気温が抑えられる予感の種まき日和。川越蕎麦の会のソバ栽培オーナーシップは今年から一町歩(約3,000坪)の面積に広げて、一気に増産増収をねらってみた。参加者は、安全な食物に興味をもつ皆さん、蕎麦好きが昂じた方々、本職のそば店主数軒、手打ちソバ講師数名、そば店の開業をめざす方々、、等々。40名近い参加で今年ももりあがっている。
これは農機のオペレーションを委託している原農場からの出発風景。軽トラックの後部にくくりつけた機関をもつ播種器でばらまき(散播)して、それを右のトラクタで鎮圧しようという計画だ。
■原農場・ファーガソン社製トラクタの勇姿
はたらくクルマという感じ。格好いいです!パワーユニットはねばり強い低速トルクを発生させるDIN100馬力のディーゼル。一家に一台というわけにはいかないけれど、こういうときにそばに居てくれると、頼りになります。
■圃場準備風景
実は数日前にファーガソンがこの畑(圃場)を一度走り回って耕起作業をしてありました。その後適度なお湿りがあって、しかも本日は薄曇りで涼しい晴れ。もう最高のコンディションです。
種まきは、圃場全体の清掃と雑草取りからスタートです。わずかな期間に生長してしまう雑草の逞しさと、圃場にゴミを捨てていくことを憚らない情けない人たちが多いことにびっくりしながら、手分けしてゴミ袋10袋の雑草や空き缶を集めました。
■今回播いた常陸秋ソバの種のラベル
今回は種を更新することにしました。茨城の金砂郷産。常陸秋ソバです。
■散播風景
種まきはこんな感じで背負った種を風圧で吹き飛ばしながら播きます。3,000坪の面積でしたが、ものの20分位で完了。あっけないほどの手際です。
ちなみに、以前は手作業で植えており、3反(1,000坪)を播くのに半日以上をかけていました。
■鎮圧
散播のあとは、圃場をファーガソンが走り回って鎮圧。これもあっという間のシゴトでした。あとは発芽を待つばかりです。
■往年の新兵器・ごんべい式播種器
こちらは、手押し式の播種器。通称ごんべいさん。機関式播種器を使うと隣地に播いてしまうおそれもあるため、圃場のキワで大活躍しました。また、今年初めて参加したメンバーのために、完全な手播きのデモンストレーションも行われました。
この日播かれたソバは、10月の下旬から11月の上旬にかけてコンバインで収穫される計画です。
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