・静岡駿河湾産桜海老と国産タケノコのスパゲッティーニ 木の芽の香りここからパスタが2種となります。まずはオーソドックスなスパゲッティーニ。先ほどから桜つながりの、桜海老。日本では駿河湾でしか獲れない、一種のブランド海老と言えます。小海老とはいえ食材としてのパワーは強く、手打ちパスタなどと比べて、料理として弱くなりがちなスパゲッティーニをしっかり食べさせてくれます。
・富山産ホタルイカと若牛蒡のガルガネッリホタルイカ。日ごろ食べ歩きをされている読者の方々も、この1ヶ月ほどはどこに行ってもこのホタルイカを見られた、そして食べられたことでしょう。しかし、どこに行ってもホタルイカというのはある程度おいしい。それは食材自体が持つおいしさなのでしょう。シンプルに、素直に料理したホタルイカはもう、それだけで美味。
2皿のパスタの中には必ず手打ちパスタを入れてくるこちら。この日、ホタルイカに合わせるパスタはガルガネッリ。中を空洞にして、外側にも溝をつけた、ソースとのまとまりがとても良いパスタです。
ソースの一滴一滴にいたるまでホタルイカの苦旨い味が行き渡り、それをパスタにからめていただく…。2皿のパスタは少量ではあっても(2皿あるので少量じゃないと困るのですが)、しっかりと主張してくる料理ばかりです。
・ヴァンデ産鴨胸肉のロースト 板持産焼き茄子添えシンプルに仕上げられた、艶のある鴨肉。火入れはややレアめで、魚の火入れといい、シェフの料理への考え方が明確に表れています。シンプルで食べ応えのある料理。シェリービネガーの酸味に粒マスタードとレーズンを合わせたソースも主張しすぎず、この料理の主眼が鴨にあることに徹しています。
・ポンカンのシブースト 桜のソルベとフレッシュの柑橘フルーツを添えてこちらのマネージャーを務める山口氏はフレンチをされていたこともあるそうで、イタリアンといえどもデザートは楽しみの持てるものを、とシェフと相談されているそうです。この日はシブースト。イタリアンで見ることはあまりないデザートで、ふんわりとした甘みのクリームに寄り添うように、フルーツが柔らかな甘みをもたらします。
ちなみに、3月のコースのデザートは「高知産フルーツトマトのコンポートと滑らかなリコッタチーズのセミフレッド バジルのグラニータを添えて」(右写真)。セミフレッドの甘みとバジルのハーブ香が絶妙なマッチを見せ、こちらもちょっと変わったデザートが嬉しい一皿でした。
「満足感」を生む、素材の力
料理は王道を行きながらも、ところどころに遊び心を見せます。しかし、その軸足はやはりシンプルで素材をストレートに生かした料理。一皿を食べ終えた後に「ああ、○○を食べたな」と、そのメイン食材の印象がとても強い料理です。「おいしい」だけではなく、満足感もしっかり味わえる、イタリアンがここにあります。
<店データ>
■「
オッティミスタ」
所在地:大阪市中央区北浜4-8-4 住友ビルNo4-1F
TEL:06-6233-7707
定休日:日曜・祝日
営業時間:11:30~14:00(ラストオーダー)
18:00~21:30(ラストオーダー)
交通・アクセス:地下鉄御堂筋線・淀屋橋駅から徒歩7分、地下鉄四つ橋線・肥後橋駅から徒歩5分、
HP:
オッティミスタ地図:
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