大阪グルメ/大阪のフレンチ

ラ・ベ(大阪・梅田)(6ページ目)

高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」のメインダイニングにして、関西最高峰のグランメゾン「ラ・ベ」。重厚な空間でいただく調和の料理とサービスは、特別な日に訪れたいハレの日レストラン。

執筆者:渡部 功平

デザート

デザートは4種類から1品をチョイス。

写真
・キャラメルフォンダン タイムの香りのパイナップルポッシェ 柚子の香り
なんとも変わった取り合わせ。ナイフを入れれば流れ出すフォンダンは塩キャラメル味。パイナップルはタイムを香らせ、芯のあった部分にはクレーム・パティシエール(カスタード風味のクリーム)を。さらに、下のソースにはタバスコを加えた上に、柚子のグラニテまで。

糖質の甘さ、果物の甘さと苦味のスパイス。乳製品の甘さに、ピリ辛さ、そして柑橘の酸味。3種類の甘さを含め、中国でいうところの五味すべてを盛り込んでいますが、それらが見事な調和をなしています。

・苺のマカロン リュバーブソルベ デコポンジュス
あまりにキュート。食べるのがもったいなく、このビジュアルだけで飾っておきたい衝動に駆られます。料理写真を撮るのが大好きなガイドにとっては、このデザートをカメラに収められたことに感謝したい気持ちです。

そして、何より食感に、味に感謝したいデザートです。三つ置かれたマカロンは、ショコラ帽子のパリッとした歯ごたえ、いちごを噛み締めたときに出るじゅわっとした甘みと、その中をくり抜かれて詰められたリュバーブコンポートの酸味に、ふわふわマカロン。食べるのがもったいないのに、一つ食べたら止まらない。罪作りなデザートです。

すべてと調和し、「ラ・ベ」という世界を

料理はランチということもありますが、やや大人しめな印象はあります。しかし、これはそのままバランス感覚につながり、料理全体の調和を生んでいるのです。ランチとはいえ、十分素晴らしい素材を使い、その味の引き出し方は素晴らしいもの。大人しいのではなく、いびつな部分のない調和なのだと言えます。


また、この調和があるのは料理の中だけではありません。この「ラ・ベ」という空間との調和にも目を見張るものがあるのです。シェフのオリジナリティを加味しながらも、歴史を感じさせる重厚な空間に合わせた、クラシックベースの料理は素直に五感に響きます。ただおいしいだけではない、レストランのすべてと調和する料理は「ラ・ベ」という世界を作り、ジベールシェフの言う「自然」をその中に形成しているのです。

最近のレストラン評論は「料理がおいしければそれでいい」という風潮がありますが、やはり「ラ・ベ」で味わうことは特別。暖炉とアートに囲まれ、柔和なサービスの方たちに身を任せて、素晴らしい料理とのハーモニーを味わう。そこは日本であって、日本でない。ただ「ラ・ベ」という世界なのだということを、空気の静けさが声高に叫んでいます。

レストラン
<店データ>
■「ラ・ベ
所在地:大阪市北区梅田2-5-25 ザ・リッツ・カールトン大阪5F
TEL:06-6343-7020(レストラン予約)
定休日:無休
営業時間:11:30~14:30(ラストオーダー)
17:30~21:30(ラストオーダー)
交通・アクセス:JR大阪駅から徒歩7分
HP:ラ・ベ
地図:Yahoo!地図情報

※ディナーメニューは、日~木:13,500円~と、金・土・祝:17,500円~のコースとアラカルトメニューになります。
※表記料金はすべて税込・サービス料(13%)が別の金額です。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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