大阪グルメ/大阪のフレンチ

ラ・ベ(大阪・梅田)(4ページ目)

高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」のメインダイニングにして、関西最高峰のグランメゾン「ラ・ベ」。重厚な空間でいただく調和の料理とサービスは、特別な日に訪れたいハレの日レストラン。

執筆者:渡部 功平

魚料理

魚料理は2品からの1品チョイス。せっかくですので、両方をご紹介します。「ムニュ ラ・ベ」と「ムニュ フランセ」コースの場合は、肉料理と合わせた中から1品をチョイスする形になります。

・はものロティ フヌイユとトマトのジュス 春野菜のコンフィ
色というものは思っている以上に味に影響を与えるものだと感じさせてくれます。こちらは、思わずおおっと声を上げてしまうほどの鮮やかな赤色のソース。この色を出すために、機械式のミキサーではなく、野菜・果物専用の手動のミルを使うとのこと。今にもはちきれんばかりのトマトを想像させるビビッドな赤色は、まるで感覚を解放してくれるような、さっぱりとしたソースを際立たせます。

「フランス料理はソースの料理だ」とよく言われます。メインの素材をよりおいしく食べられるようにと、先人たちが研鑽を重ねた料理。しかし、この一皿においてはむしろ、ソースが際立ちすぎそうなところを、はものふんわりとした食感、旨みで包み込んでいるように感じました。ソースが強くすることで、メイン素材の味を引き出す。これも見事な調和です。

・的鯛のオーブン焼き 黒オリーブの香り サフランソース
地中海の香りが漂ってくる一皿。マルセイユのブイヤベース風のサフランソースや、ニースのラタトゥイユのような魚上の付け合せ、そして身に塗られたオリーブのパウダー&オイルが喚起するイメージです。ただし、見せ方は「ラ・ベ」。ここが南仏ならこの付け合せは皿全体に散らばって盛り付けられているでしょう。店内の重厚感に合わせて、関西言葉で言うところの「シュッとした感じ」にまとめ上げています。

しかし、味の方はそこから想像もつかないほど濃厚。特にソースは魚のダシをがっちりと凝縮して苦味をきかせ、トマトの酸味とパスティス(またもやマルセイユです!)のハーブ香で、味に広がりを持たせています。このソースとパンだけでも一食が成立しそうなほどの満足感。

次ページでは肉料理をご紹介。
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます