ルセット（神戸・三宮）(2ページ目)

アラカルトのような選択肢が魅力的なコース料理

位置皿とナプキンもセンス良くまとめられています。

お料理は、プリフィクスのランチコースが3,000円～、ディナーコースは4,725円～です。アラカルトはありませんが、プリフィクスの幅がとても広く、実質的にはアラカルトと言っていい質・量の料理です。前菜・魚・肉料理は、プラス料金のあるものを含めてそれぞれ７～10種類くらいの選択肢。追加料金のないものだけでも、それぞれ３～５種類くらいあるので、じゅうぶん楽しめます。また、一皿の量もたっぷりあるので、女性ならメイン１皿のコースでもおなかいっぱいになれると思います。

メニューは旬を意識したメニューが多く、一部のメイン料理を除いて、季節によってほとんど変わってしまいます。今回はちょうど夏から秋に変わる、８月末のメニューで、メイン２皿の6,825円にプラス500円のコースです。

フォアグラのクリームブリュレとイベリコ豚の冷製ブーケ。最初から高級素材のオンパレード！

まずはアミューズに、フォアグラのクリームブリュレとイベリコ豚の冷製ブーケです。秋・冬の定番アミューズ、フォアグラのクリームブリュレは、クリームのなめらかさが食感を邪魔せず、フォアグラの濃厚さをダイレクトに味わえます。イベリコ豚の方は、冷製の肉で野菜をロール。イベリコ豚独特の、塩辛さがないにも関わらずハムのようなしっかりした旨みと脂肪の甘さ、シャキッとした野菜の歯ごたえに、食欲と後の料理への期待も湧きます。

鱧・フォアグラとアーティチョークのプレッセ・テリーヌ　青トマトのコンフィチュールとコンソメ・ジュレ

前菜は、鱧・フォアグラとアーティチョークのプレッセ・テリーヌ　青トマトのコンフィチュールとコンソメ・ジュレ。名前だけ見て、「鱧がフォアグラの濃厚さに負けてしまうんじゃ…？」と危惧していたのですが、何の何の。むしろ鱧が強い！ 噛むとぷつぷつした食感で、味もパワフルで、フォアグラに負けていません。もちろん、濃厚さだけではくどくなってしまいますから、アーティチョークを足すことによって、酸味で全体を整えています。つなぎを使わず、型に材料を入れて押し込むことによって水分を抜き、その圧着力のみでつないだテリーヌは、素直に素材を楽しめる料理になっています。

次ページでは素材にこだわり、美しく仕上げたメイン料理をご紹介。