セイボリーというジャンル

日本のカフェでは見かけないメニュー構成のおもしろさ。どうぞじっくり読んで楽しんでくださいね。スタッフも注文を急かしたりせず、のんびり構えていてくれるはず。よくわからない、というときは遠慮なく質問を。

ベイクショップに並ぶメニューは毎日変わります。パン作りにはすべて天然酵母を使用。

たとえば、「セイボリー&サンドイッチ」と題したコーナーの「セイボリー」って? ちょっと聞き慣れない言葉ですが、塩味のお総菜パンのこと。
浅本さんが好きだったブルックリンのベイクショップでは、お昼どきになると学生たちがセイボリー目当てに訪れていたそう。

「ブルックリンで半年間ほど生活したときに通っていたのが、近所のJOYCE BAKESHOPという小さなベイクショップ。幼稚園のバス停の前にあったので、朝はママたちが子供を送りだしたあとでコーヒーを飲んでいるし、お昼どきには学生たちがセイボリーを食べながらノートパソコンに向かってのんびり時間を過ごす。午後を回ると、店員たちに『そろそろ子どもたちがお店に来るから』と学生が追い出されて、また店内の風景が一変します」

JOYCE BAKESHOPの店員たちは食育も大切にしていて、お店にやって来る子供たちに、よく「大きくなっても、いいもの食べろよ!」と声をかけていたそう。
いいもの、とは高価なレストランの贅沢な一皿を指すのではなく、信頼できる素材を用いて、顔の見える人々がまじめにおいしく作ったもの、という意味なのでしょう。

ベイクショップ・バーガーは11:30からスタートする自慢のメニュー。

そんなお話を楽しみながらいただいたのが、自慢メニューのひとつ「ベイクショップ・バーガー」(1575円・写真上)とビール。

キッチンに届く旬の食材しだいで、スタッフは毎日臨機応変にお料理をアレンジしているそうですが、この晩のバーガーはあふれんばかりのアボカドの量! ふっくら、つややかに焼き上げられた自家製ブリオッシュバンズに、たっぷりのローストビーフをグリルしてはさんでありました。
ほかにも具材がたっぷり隠れていて、香ばしいソースをからめたマッシュルームも、隣の小さなうつわに添えられた、ピリっとスパイシーなソースも魅力です。

メニューの中には、浅本さんがニューヨークやパリで訪れた名店の記憶を再現したお料理も。たとえば、パンケーキに添えるオレンジバター。さて、これは…

▼アッパーウェストの老舗で味わった感動をもとに