最新の主題は「テール・ア・テール」

遊び心と芸術性に満ちた華麗なショコラの数々で私たちを魅了してやまないジャン=ポール・エヴァン。2009~2010年のテーマ「テール・ア・テール(土から土へ)」には、地に足をつけて、普遍的な基本にかえろうという想いが込められています。

今月来日したジャン=ポール・エヴァン氏の言葉のなかで最も印象的だったのは、「私のショコラはマーケティング・チームの企画会議から生まれるのではなく、つねに私自身から生まれています」という、熱いアルティザン(職人)魂がうかがえる一言でした。

ショコラ作りはもとより、そのパッケージ、店舗の内装、スタッフの教育にいたるまで、氏は感性とこだわりをもって取り組んでいるのです。

エヴァン氏に教わる「時間ごとにショコラを楽しむ方法」

ジャン=ポール・エヴァン氏は、自身が日々のどんな時間帯にショコラを楽しんでいるか、またその味わい方についても教えてくれました。ショコラと“時間”の優雅なマリアージュ。

タブレット(板チョコート)は午前11時ごろに味わうのにぴったりだと思います。朝から活動してきた体が、ちょっとエネルギーを必要としているときですね。タブレットの上手な味わい方は、噛まずに舌の上でゆっくりとろかすこと。ときどき息を吸って酸素を含ませると、より味わいが鮮明に感じられると思います」

「午後5時ごろには、ボンボンショコラガトーを楽しんでいます。私はボンボンショコラを食べるときには、まず半分に切ってみます。そうして断面の色やテクスチャー、構成を目で味わうのです」

「一日が終わるときはアマンドを。ショコラは安眠にもつながるというデータがあるそうですし、濃く豊かな風味で一日をおいしくしめくくれますね。アマンドは噛みくだくことでアロマが感じられると思います」

2009年のクリスマスは…

食をとりまく自然環境への意識。テール(土)と向きあって働く人々への感謝。カカオ生産国を訪ねる旅。ジャン=ポール・エヴァン氏の研ぎ澄まされた感受性と創造力は、切実な問題意識の中からも、とびきり楽しいクリスマスのビュッシュを誕生させました。次のページでご紹介しますね。