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澤田洋史さんのラテアートと北米カフェ文化(5ページ目)

シアトルのラテアート選手権の優勝者、澤田さんにインタビュー。目の前で繰り広げられる超絶技巧は“エクストリーム・ラテアート”。イタリアの影響が濃いデザインカプチーノとの違いも教えていただきました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

エクストリーム・ラテアーティスト!

長身痩躯、手足の長い澤田さんは、その体型を活かしてアクロバティックなラテアートを披露してくれました。左手にカップを持ち、それをひょいと背中の後ろに回したかと思うと、びっくりする私たちの前で「後ろ手ラテアート」を描き始めます!

このとんでもない体勢で描かれたのが、写真下のみごとなラテアート。完璧な左右対称、繊細な模様。脱帽するしかありません。それはまるで、極限に挑戦するエクストリーム・スポーツ
(※神田のカフェ、ヒナタ屋の記事では、険しい岩山や海中でハンカチにアイロンをかけるスポーツ、「エクストリーム・アイロニング」をご紹介しています)


右下は私が澤田さんの指導のもとで初挑戦したラテアート。
タイトルは「胞子をばらまく毒キノコ」…

ミルクをこぼす寸前まで注いでいく、スリルに満ちた“エクストリーム・ラテアート”のライブ感こそ、澤田さんの身上。
目の前でフリーハンドで描きあげられるラテアートは、カプチーノを抽出したあとにピックや楊枝などを用いて、時間をかけて絵を描いていくイタリア式デザインカプチーノとは異なるものです。
それはシアトルのセルフサービス・スタイルと、日本のようにお客さまが席についてから、描かれたカプチーノが運ばれてくるフルサービスのスタイルの違いにも起因するのでしょう。

「日本ではデザインカプチーノが主流ですが、お客さまの目の前で愉しませるフリーポア・ラテアートの面白さを伝えていきたいですね。その最大の魅力は、やはりアートと味が比例すること。うまく描けたということは、エスプレッソの抽出やミルクの温度など、すべてのバランスが良かったことを意味します」

エスプレッソマシンの前に立つときは、グラインダーを勢いよく回す音とリズムが最高のBGMになるという澤田さんの言葉に、鮮やかなラテアーティスト魂を見たのでした。 ▼澤田洋史さんのWebサイト
※2009年7月、旭屋出版から澤田さんの著書『フリーポア ラテアート』が出版されました。

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