カフェ/カフェの特集記事

澤田洋史さんのラテアートと北米カフェ文化(2ページ目)

シアトルのラテアート選手権の優勝者、澤田さんにインタビュー。目の前で繰り広げられる超絶技巧は“エクストリーム・ラテアート”。イタリアの影響が濃いデザインカプチーノとの違いも教えていただきました。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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フリーポア(free pour)・ラテアートを極める

フリーポア・ラテアートは器具を使わず、スチームしたミルクをエスプレッソに注ぎながら、手首の繊細な動きだけでカップの中に絵を描いていきます。それも、あっという間に!

澤田さんのラテアートの魅力はこのスピード感と、描きあげるデザインの繊細な美しさ。息をつく間もなく、2枚目のリーフが描かれていきます。

ラテアートの評価基準は、エスプレッソの褐色が美しく、ミルクとのコントラストがくっきりしていること、リーフが幾重にも細かで複雑な葉脈(?)を持っていること、ミルクの輪郭が明瞭であること…など。

3枚目、4枚目のリーフを描いて完成! その鮮やかな手さばきには、ただもう見とれるばかりです。

大会本番で自分を支えるのは、積み重ねてきた練習の記憶

世界各国から100名近いバリスタがエントリーしてくるラテアート・チャンピオンシップ。その決勝大会ともなると、バリスタにとってはオリンピックさながらの緊張感が漂います。

ミルクを注ぎながら一瞬でも「こぼしそう」という恐れにとらわれると、それが指先に伝わって動きを狂わせるといいますが、緊張感を乗り越えて優勝できた秘訣を澤田さんに訊ねてみると-

「メンタルですね。ピッチャーが体の一部になるまで練習するのは当然として、お風呂に入っても湯船につかって練習していました。うちの奥さんには『あほちゃう?』と言われましたが、『自分はこれだけやってきた』という自信で、本番の緊張はだいぶ抑えられるんです。湯船でまで練習してきた奴はおらんやろ、と」

もうひとつ、澤田さんを支えたのが大会のトイレでのひとこま。「記事には載せられないと思いますが…」と前置きして、澤田さんはこんなエピソードを教えてくれました。

「会場で緊張するとトイレに行きたくなりますよね。トイレで便器をカップに見立てて、○○○○しながら腰で対流を起こして、これはいけるなとOKを出しました(笑) おかげで本番でも、手はいっさい震えませんでした」

そんなにも情熱を傾けられるラテアートの世界。そもそも澤田さんがラテアートを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

▼紀ノ国屋→雪印→DEAN&DELCAに勤務して

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