カフェ/カフェの特集記事

澤田洋史さんのラテアートと北米カフェ文化

シアトルのラテアート選手権の優勝者、澤田さんにインタビュー。目の前で繰り広げられる超絶技巧は“エクストリーム・ラテアート”。イタリアの影響が濃いデザインカプチーノとの違いも教えていただきました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

白シャツに黒ベスト、ネクタイと素敵な笑顔。私たちがバリスタのファッションと聞いて思い浮かべる典型的なイメージは、イタリアの伝統的なバールからもたらされたものでしょう。

しかし現在、バリスタのファッションにはもうひとつの大きな潮流があります。Tシャツにジーンズ、袖口からのぞくタトゥー。北米の街角のカフェやエスプレッソバーで活躍するバリスタたちは、ストリートの匂いを放っています。あるラテアート・チャンピオンシップで優勝したバリスタは、そのときのラテアートを自分の体に彫っているとか。

今回の記事では、そんな北アメリカのカフェ・カルチャーにおいて、ラテアートの第一人者として知られる澤田洋史(さわだひろし)さんのインタビューをお届けします。

ロゼッタのラテアート
撮影協力:CAFE415

フリーポア・ラテアート・ワールドチャンピオン、澤田洋史さんにインタビュー

目の前のコーヒーカップの中にミルクが注ぎ混まれて、細かな模様を描きだしていきます。エスプレッソの中央に白い葉っぱがひとつ開いた、と思ったら、みるみるうちにその両脇にも2枚の葉っぱが開き、そしてすぐに、小さな葉っぱがもう1枚重ねられて。

トリプル・ロゼッタを越えた、四重のクアドラプル・ロゼッタ! まるでスノーボーダーが雪のウェーブを駆け抜けるようにして軽快な技を見せてくれたのが澤田洋史さんです。

2008年、シアトルで行われたフリーポア・ラテアート・チャンピオンシップで、アジア人として初の優勝。しかも過去最高得点をマークし、優勝賞金の5,000ドルはコーヒー生産国の農園で働く子どもたちを支援するNGO団体、COFFEE KIDSに寄付するという爽快さで私たちをわくわくさせてくれた澤田さん。

フリーハンドで描くラテアートの魅力、大会優勝の秘訣、ラテアートとデザインカプチーノの違い -それはすなわち、シアトルのカフェ文化とイタリアのバール文化の違いを意味します- について、興味深いお話をうかがいました。

エスプレッソ抽出

余談ですが、インタビューの数日前に、下北沢でばったり澤田さんに遭遇しました。それはオープンしたばかりのBEAR POND espessoの店内。
ニューヨークの街角の匂いがぷんぷんするBEAR POND espressoの風景に、ニットキャップとTシャツを身につけた澤田さんの姿はじつによく似合いました。

もともと趣味でスケートボードやスノーボードを楽しんでいた澤田さんは、ラテアート選手権に出場する際もスノーボーダー風ファッション。胸に「Make Coffee, Not War!」と綴ったTシャツを着用したりするそうで、そんな側面からも、後述する<ラテアートとデザインカプチーノの違い>がうかがえます。

▼さっそく、ロゼッタのラテアートを実演していただきました!

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