古いモノたちに囲まれて、母のレシピとお酒とコーヒーを  

店内写真

わずか5坪ほどの店内に、小さな刺激が満ちています。

2011年3月3日午後3時、渋谷・神山町にオープンしたME ME ME(ミーミーミー)は、3のマジック--おいしい・楽しい・リーズナブル--の三拍子が揃ったお店。その数字や店名に見え隠れする洒落っ気が、もとは小さな印刷会社と駐車スペースだったという空間に充溢しています。

狭い店内に合わせて側面を薄くしたオリジナルの英国ヴィクトリア調ふうのソファが、こまごましたモノがあっても落ちついた空気のベースをつくります。
年代や国籍を問わず感性にひっかかった古雑貨や古着を集めて心躍る小宇宙をつくりあげたオーナーは、1979年生まれの晴(ハレル)航平さん。自分が行きたくなるお店、自分が身を置きたい空間をつくったといいます。

ポートランドで暮らした経験をもとに  

初めて訪れたのは2011年11月、ちょうどクリスマスツリーが運ばれてきた日。

初めて訪れたのは2011年11月、ちょうどクリスマスツリーが運ばれてきた日。

晴さんは20歳のときにアメリカ・ポートランドで留学生活を送り、ACE HOTELに象徴される街のエンタテイメント感に満ちた空気に大きな刺激を受けました。ME ME MEで体現したいのもそんなエンタテイメント感と非日常性。

店内を彩るどこかユーモラスな表情の雑貨たちは、「日本にいるとエネルギーが切れてくるので」、現在も足繁くアメリカ通いをする晴さんが主にポートランド界隈でみつけてきた「無駄ながらくたかもしれないけれど、自分にとっては魅力的な」掘り出しものの数々です。
ミッキーマウスの鼻の部分がネジになったブリキの観覧車。

ミッキーマウスの鼻の部分がネジになったブリキの観覧車。

たとえば入口近くで私の眼をとらえたブリキ製のミッキーマウスの観覧車(写真上)は、ポートランドの古着屋の片隅に、枯れ葉や小さな蜘蛛(!)が入りこんだ状態で無造作に転がっていたそうです。ME ME MEに置かれているモノたちは基本的に購入可能ですが、これは売らないつもりとか。

なぜなら「普通の家に置くと、ただのがらくたにしか見えないと思うから。古いものは明るい光の中よりも、暗い中に淡い明かりがともっている状態で見るのがいいですね」。

次ページで、ME ME ME のお料理の魅力をお伝えしましょう。オーナーのお母さまのレシピのオリジナリティが光ります。