カフェ/吉祥寺・荻窪・国分寺・青梅のカフェ

ねじまき雲(ねじまきぐも)…青梅(3ページ目)

ねじを巻かなければ止まってしまう古時計が静かに時を刻む空間で、極上の自家焙煎コーヒーと優しい創作ドリンクを。個人的にも大好きなカフェのひとつです。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

コーヒー豆を焙煎する前後に、欠点豆を取り除くハンドピック作業は不可欠ですが、長沼さんは焙煎したコーヒー豆を挽く直前にも3回目の入念なハンドピックをして、わずかな不揃いも見逃しません。ペーパードリップ1杯に使うコーヒー豆の量は30g弱。一般的なコーヒー店のたっぷり2倍以上の量という贅沢さです。

ハンドピックを済ませ、粉を挽いたら、ドリップにとりかかる前にブロワーでチャフ(シルバースキン)をそっと吹き飛ばして渋みを取り除きます。1杯の注文を受けてから、コーヒー粉にお湯を注ぐ前に、すでにこれだけの作業があるのです。すべてはただ、「ああ、おいしかった…」という小さなため息のために。  

※チャフってなに? 取り除いたほうがいい?については、 内田牧さんに東京カフェマニア上に書いていただいた SWEET COFFEE~おいしい珈琲の作り方講座のVol.5「珈琲豆を挽いたあとの、5秒間のコツ」をどうぞ。

ねじまき雲の店内写真
「話しかけても平気ですよ」と長沼さん。
でも、ドリップする姿の端正さには、静かに息をのんでしまいます。

理想のコーヒーは楽しいコーヒー

ねじまき雲のメニューにはブレンド各種からストレートまで、コーヒー好きを魅了するコーヒーが並ぶかたわらで、コーヒーを飲み慣れない人でも気軽に楽しめるシグネチャードリンク(創作アレンジコーヒー)も豊富に揃えられています。

長沼さんの理想のコーヒーは「楽しいコーヒー」なのです。味の好みは十人十色だから、飲む人にコーヒーの難しさではなく楽しさを届けたい、それが彼の姿勢です。コーヒーを深く追究した人ほど、コーヒー初心者に対して寛容になる傾向があるのかもしれませんね。

楽しさを伝える手間を惜しまないのもねじまき雲の魅力のひとつ。「飲めばわかる」とばかりに説明の努力を放棄するのではなく、ひとつひとつのメニューを、どこかユーモラスな味わいのある言葉と明解なグラフで伝えてくれます。コーヒーの特徴を酸味・甘み・苦味の3つのグラフで表現する「味レベルグラフ」はとてもわかりやすいもの。どうぞ選ぶときの参考にしてください。

ねじまき雲の店内写真
(左)友人のアーティストから贈られた“コーヒーの神”
頭部のネジを外すと、中からひと粒のコーヒー豆が…

テーブルワインのように気軽な「ビアンコ」

今までコーヒーは苦手と思ってきたけれど、この機会にチャレンジしてみたいという人には、ブレンド「ビアンコ」(600円)はいかがでしょう。このページには「濃い珈琲がダメで、苦いのもスッパイのも苦手。そんな奴は珈琲店に来るな!とは言いません。テーブルワインのような、気軽な珈琲があってもいいのではないでしょうか」という心優しい言葉が添えられています。

緑豊かな青梅丘陵のカケラを飲む「三毛猫」

また「三毛猫」(900円)と名づけられたまろやかなアレンジコーヒーは、有機抹茶、ミルク、きなこを加えたもの。「お店の前には青梅丘陵の稜線があります。その山のカケラを飲めたらと思ったのです」

▼ネルドリップするデミタスの味くらべ


(右)チャフを取りのぞくのに使われるブロワー

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