カフェ/吉祥寺・荻窪・国分寺・青梅のカフェ

ねじまき雲(ねじまきぐも)…青梅

ねじを巻かなければ止まってしまう古時計が静かに時を刻む空間で、極上の自家焙煎コーヒーと優しい創作ドリンクを。個人的にも大好きなカフェのひとつです。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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ねじまき雲の外観写真

極上の一杯、ねじまき珈琲

もしも個人的に東京で好きなカフェを3つ挙げるとしたら、必ずこのお店を入れるに違いありません。小さな珈琲店「ねじまき雲」を大切に愛している人々のことを「ネジマキスト」と称しますが、私もネジマキストのひとりです。

店主が自家焙煎して丹念にドリップするコーヒーの極上の深い味わい。古道具を集めた空間のあちこちにころがっている小さな錆びたねじ。訪れる人々が思い思いに加えてきた少し不思議なモノたち。そしてそれらに、ちょっとだけ意外なスパイスが混じっていること。心を強くとらえるものばかりです。

ねじまき雲の素晴らしさを伝えたいと私をお店に案内してくれた人は、ことに夕方の時間がいいのだと言いました。
「店内が静かで、本を読んでいると、壁にかかっている柱時計のカチコチいう音が聞こえてくる。それを聴いているうちに心が満たされるんです」

ねじまき雲の店内写真

その人はひょっとしたら、わざわざ夕暮れどきの時間を選んでここに連れてきてくれたのかもしれません。私はねじまき雲が最も美しい時間帯に足を踏み入れました。マジックアワー。映画や写真を撮る人なら知っている、太陽が沈んだあとの残照が夕空にひろがり、画面が独特の色調に染まる時間帯です。

マジックアワーのねじまき雲には空気中に青い粒子が漂い、ペレットストーブの暖気やコーヒーの良い香りと混じり合っています。しばらくその香りを楽しんでいるうちに、耳につかなかった柱時計の音がはっきりと響いてきて、夕闇が濃くなるにつれ青い粒子は淡い蜜柑色の光へと変わっていきました。

▼メニューにはこんな言葉が書かれていました。

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