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『コーヒー「こつ」の科学』石脇さんに訊く(4ページ目)

根拠があやふやなままに信じられてきたコーヒーの「常識」について科学的にわかりやすく検証し、コーヒー好き必携の書を上梓された著者・石脇智広博士に楽しいコーヒー談義をうかがいました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

フライパンでも、オーブントースターでも焙煎

焙煎に挑戦するようになった理由をうかがうと、「学生時代に1ヶ月に1万円はコーヒー豆代に消えていくので、自分でなんとかしようと思って始めました(笑)」

本にはこんなことが書かれています。

「コーヒーに興味を持ったのなら、自分で焙煎してみることを強くおすすめします。生豆の選び方さえ覚えれば、安く、簡単においしいコーヒーをつくれるようになるからです。 (中略)
私はアマチュアだった頃、焙煎に使えそうな器具はありとあらゆるものを試しました。本などで紹介されることの多い手綱はもちろん、焙烙(ほうろく)、フライパン、ゆきひら鍋、土鍋、オーブントースター、ポップコーンメーカー、電子レンジまで。煎りムラが激しくできない程度の火力で撹拌しながら加熱するだけですが、うまくいかなかったのは電子レンジくらいで、あとはそれなりの味がつくれたように思います」

好きなものをとことん知りたい、もっと楽しみたいというこの探究心が石脇さんのお仕事の基本となり、本の執筆にもつながったようです。
「私の試行錯誤の数々が、おいしいコーヒーを飲みたいと思う人たちの努力の無駄を省くことに役立つのではないかと思ったんです」
石脇さんは執筆の動機をそんなふうに話してくれました。

コーヒー豆はどこで買う?

焙煎を始めた石脇さんはやがて、当時足繁く出入りしていた知る人ぞ知る自家焙煎店のご主人に生豆を分けてもらい、焼き方のコツを教わったり、自分で焼いた豆を持ち込んでアドバイスを受けたりするように。
「自家焙煎珈琲店を営む研究熱心な方々が教えてくれたことは、本当に良い勉強になりました」

だから「どこでコーヒー豆を買えばいいですか?」という読者の質問に対する答えは「ご自宅の近くにある焙煎店がいいですよ」。

お店の人と言葉を交わしながら、1歩ずつおいしいコーヒーに近づいていく楽しみ。それはコーヒーの森にわけ入ろうとする人にとって、きっと最初の道標になるはずです。

▼年に1度は、鳥肌がたつような
素晴らしいコーヒーに出会うことも

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