トルココーヒー vs ギリシャコーヒー
トルコは、国境を接するギリシャとは微妙な関係のようです。ひとつの土地がローマ帝国の領土となったりオスマン帝国の領土となったりしてきましたから、歴史は少々ややこしく、トルコもギリシャも「うちが発祥!」といって譲らないものがあります。それがコーヒーとお菓子。イスタンブールは世界のコーヒー史に必ず登場する、コーヒー的にも由緒ある都市。器に水とコーヒー粉を入れて煮たて、上澄みだけを飲む方法を、トルコではトルココーヒーと呼んでいますが、ギリシャはギリシャコーヒーであると主張しているようです。
もうひとつ、日本人にもおみやげとして人気のスイーツ「ロクム」も、トルコとギリシャがともに自国の名産品だと言って譲らないのだとか。本家と元祖の争いを連想しますね。
AKBABA/K.V.
イスタンブールには世界で2番目に古い、そして世界で1番短い地下鉄が走っています。1区間を往復するだけ。その地下鉄駅「Tunel(テュネル)」を出て左手に、風情あるカフェ群をみつけました。(写真上)
レストランに囲まれた中庭にさまざまなテーブルと椅子を並べて、オープンエアのカフェにしているのです。異国情緒をたっぷり味わえる美しい空間です。
ネスカフェが優勢です
ソフトドリンクのメニューは、エスプレッソ(5トルコリラ、たぶん350円くらい)、カプチーノ(7.5トルコリラ)、ネスカフェ(6トルコリラ)など。
トルコではインスタントのネスカフェが高級品扱い。コーヒーと注文すると自動的にネスカフェが運ばれてしまいます。お店によっては「ネスカフェ」の他にもドリップする「フィルターコーヒー」がありますが、両方とも同じ値段。
ひとくち飲んでみて、あまりのざらざらした粉っぽさにむせそうに。トルココーヒーはコーヒーの粉をカップの底に沈殿させてうわずみだけをいただきますが、その粉が沈殿していなかったのです。
スプーンを入れて全体をかき混ぜ、心をしずめて待つこと3分。今度は粉が沈みきっていて、無事に飲むことができました。お味のほうは、残念ながら他のたいていのお店と同じように首をかしげざるをえませんでした。なにしろ、大半のお店ではトルココーヒーもインスタントなのですから!