月光茶房にはコーヒーのために訪れる人、友人と談笑するために訪れる人、落ち着いた環境で音楽を聴くために訪れる人など、さまざまなお客さまがカウンターに並びます。往年のジャズ喫茶のような会話禁止のシステムは、もちろん存在しません。
店内のコンクリートの壁の一面が真紅なのは、店主の原田正夫さんが愛聴するノルウェーのクールなコンテンポラリー・ジャズにちなんで国旗の色を塗ったもの。
原田さんのお話の内容が非常に興味深く、独自の視点とセンスを感じさせるのは、元は編集プロダクションで活躍していた名残りでしょうか。
学生時代は伝説のロック喫茶ブラックホークに入り浸って「まず近くのムルギーでカレー、それからまずいコーヒーを飲んで音楽を聴くというのがワンセット」の生活を送り、編集者時代は喫茶店が仕事の場。 学生時代からの願いだった「きちんとしたコーヒー、BGMとして聴ける音楽」を実現させたのが一九九八年に誕生した前・月光茶房です。