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映画『おいしいコーヒーの真実』(2ページ目)

何気なく手にする1杯のコーヒーに隠された、地球の裏側のコーヒー農民たちの表情。私たちはもう「知らない」で済ますことはできないのではないでしょうか。カフェ好き、コーヒー好き必見の映画をご紹介します。

コーヒーカップの中の断絶

ドキュメンタリーの手法をとったこの映画は、コーヒー発祥の地エチオピアで貧困にあえぎながらコーヒーを作る人々と、なんとかして彼らを救おうとして立ち上がり、フェアトレード・コーヒーへの理解を求めて西欧諸国を奔走するタデッセ・メスケラ氏の姿を淡々と追っていきます。

コーヒーの取引価格はNYで、大企業にいっそうの利益をもたらすために決定されてきました。生産者に正当な報酬を還元することなく。
その根深い搾取の構造については、これまでにも何冊かの本を読んでおおよその事情は理解しているつもりでしたが、映像の訴求力はより直裁に人々の表情を伝えてきます。

何よりも衝撃を受けたのは、スクリーンの中で淡々と切り替わる生産国と消費国の風景の落差でした。 その両者の、徹底的な断絶。

コーヒー豆は、たしかにエチオピアの農民たちの埃まみれの手で作られたはずなのに、イタリアのバールで、illyのオフィスで、スターバックスの店内で、あるいはシアトルのバリスタ・チャンピオンシップ会場で人々がそれを手にするとき、あの絶望的な労働に従事する人々の姿は背景からきれいさっぱり消え失せ、ひとかけらも残っていないのです。 まるで焙煎されるときに不純物として除去されてしまったみたいに。

▼私たちにできることはあるのでしょうか?コーヒー豆の選別

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