2つのビルをまたいだ、趣ある異界
恵比寿駅前のロータリーから徒歩2分、飲食店がひしめく通りの怪しげなビルに、2008年4月、新しいカフェラウンジが誕生しました。複雑で変化に富んだ空間の面白さは、渋谷のカフェastral lampやattic roomなどを手がけてきたオーナー、五味さんならでは。
L字形の広い店内の中ほどに、突然、短い階段が出現します。この奇妙な構造の理由は、アナログが入っているビルが、実は2つの建物の壁を抜いて1つに繋げたものだから。アナログのフロアは、段差のある2つのビルにまたがって作られているのです。
おかげでこのいびつな物件に決定したとき、五味さんは不動産屋さんに「本当に、この場所でいいんですか?!」と何度も念を押されてしまったそうですが、構造上の欠点を、ここにしかない魅力に変えてしまうのが作り手のセンスというもの。
当然のことながら、ビルの入り口も2つあります。駅側の入り口からは階段をのぼって2階と4階に行けますが、3階には行けません。逆の入り口から階段をのぼると、2階には行けないのです。なんてややこしい! カフェ好きの皆さまはぜひ、いかにも東京らしいこの猥雑な迷宮をお楽しみください。
ちなみに2階には、女性の皆さまにはかなり抵抗のあるお店が入っています。素知らぬ顔をして足早に通り過ぎてくださいね。