路地裏の雑居ビル、その屋上に
a-bridgeを訪ねるひとは、どうぞ一度は道に迷うことを覚悟しておいてください。迷うといっても、その時間はせいぜい5分。心もとない5分間を逆におもしろがれてこそ、街の散策者というものです。
三軒茶屋に気持ちの良い屋上カフェがあると聞き、住所をたよりに路地裏を探してみた私。入り組んだ迷路を彷徨することには慣れているはずなのですが、このときはついに商店街の人に「三元ビルはどこにあるのですか?」と聞くことになりました。
ほんとうは駅からも近く、道順はいたってシンプル。商店街からどの細道に入ればいいかさえわかればいいのです。目指す「三元ビル」を発見し、エレベーターで最上階までのぼってa-bridgeに足を踏み入れたときの、ちょっとした宝物を見つけたような感覚は、迷ったからこそいっそう増したのでした。
a-bridge。店名の意味するところは“橋をかける”。屋上につくられたこのカフェは、一杯のコーヒーやお酒とともにくつろぐ場所であると同時に、さまざまな人々が集まり、出会い、そこで生まれた夢にむかって橋をかけるためのベースキャンプでもあるのです。