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真狩村のコンフィチュール職人(4ページ目)

北海道の小さな村にひとりで素晴らしい果実のジャムを作っている女性がいます。フランスに渡り、クリスティーヌ・フェルベールさんのもとで修業した彼女に、おいしいジャム作りの秘訣をうかがいました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

グリオットに似たさくらんぼ「水門」を使って

ご自身で一番好きなコンフィチュールは、と尋ねると、
「7月に作って8月に販売する、水門(スイモン)という北海道産のさくらんぼを使ったものです」。

マダム・クリスティーヌ・フェルベールが初めて作り、今でも一番のお気に入りだというのがグリオット(さくらんぼ)のコンフィチュール。水門はそのグリオットによく似た爽やかな酸味のある品種で、風味が濃く、皮が薄いのだそうです。

鈴木さんは季節になると朝早くに果樹園まで足を運び、完熟した粒だけを選んで自分の手で摘んでいます。
「午前9時までに摘み終わらないと、温まって一気にいたんでしまいます」

収穫したさくらんぼはその日のうちに一粒ずつていねいに種を取り除き、翌日、10リットルサイズの銅製の大鍋(写真上)で煮てコンフィチュールを作ります。加えるのはグラニュー糖。
「グラニュー糖がいちばんシンプルに素材の味を出すことができますから」

コトコトゆっくり煮つめて糖度を上げようとする方法では、砂糖がキャラメル化して果物そのものの味が濁ってしまうので、あくまでも強火で煮るのがポイント。

健康のためというアプローチは好きじゃなくて、と鈴木さん。おいしい素材を求めたら、その結果として無農薬栽培されたものだった、というのならいいけれど、「身体に良いからこれを選ぶ」「無農薬だからおいしい」というアプローチはとりたくないのだといいます。

素材の持っている力を第一に。旬の果実の恵みをまるごとストレートに味わえるのが、ラ・ベル・コンフィチュール・マサコの最大の魅力なのです。

▼絶品! さくらんぼのコンフィチュール

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