三枝克之さんの巻頭の文章から
○『茶の本』は外国人にのみ価値のある本ではありません。岡倉天心の時代から百年が経ち、すっかり欧米化した生活を送る現代の日本人にとっても、忘れかけていた日本やアジアの文化、美意識を再発見させてくれる貴重な本です。時代の大きな曲がり角に差しかかりつつある今こそ、この本の言葉は輝きを増しています。天心はじつは百年後の僕ら日本人のために『茶の本』を書いたのでは? そんな気さえしてきます。
○『茶の本』は「茶道の本」というよりも、「茶の道(タオ)」の本というべきものです。一杯のお茶に導かれながら、「Art of Life」、つまり日々の暮らしを美しく生きる知恵を綴った本です。「Nature」(環境としての自然)と「Natural」(心でものを見ること)の大切さを語った本です。
これって、僕らが最近カフェでよく話している話題じゃないですか?