カフェ/京都のカフェ

好日居(こうじつきょ)…京都・岡崎

平安神宮近くのひっそりした路地に、大正時代の一軒家を美しく改装したカフェがあります。中庭の風鈴の音も涼しげに。極上の岩茶と季節感豊かなおもてなしで、京都の旅に心うるおうひとときを。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

...続きを読む

2008年の京都旅行の折にたずねた一軒家、「好日居」。それはまだお店がスタートして3日目のことでした。
先日再び好日居を訪れてみて、1年という時を経て、ますます魅力的な空間になっているのを感じました。のんびりとしたペースではあっても、さまざまなお客さまを迎えてきた家というものは、確実に空気が変わるのですね。

今回の記事では、拙著『カフェとうつわの旅』でご紹介した1年前の好日居の姿をお届けします。2009年夏の好日居の姿と、店主にうかがった小さな新しい物語については、今秋発売予定の拙著で再びお伝えしたいと思います。

好日居の写真

日々是好日

古い板塀と庭木の緑がひっそりと続く閑雅な路地。その一軒の門の前に、ほとんど目につかないほど小さく「好日居」と書かれた札が出ています。
打ち水をした飛び石が視線を導いていく先に玄関の格子戸が開かれており、軒下に吊されたガラス瓶から、雪柳の枝が柔らかく身を乗りだしていました。

大正時代に建てられ、30年ものあいだ空き家になっていた民家を知人友人の手を借りてこつこつと改装してきたのは一級建築士の横山晴美さん。2008年の桜の季節に「茶の間の延長」としてそっと門を開きました。  

好日居の写真

「石も木もいただきもので、流れ者の音楽家たちが集まってきて音あわせを始めたばかりのような、まだ楽団として音楽を奏でられるかどうかわからない、そんな状況です」
と横山さんは笑いますが、板塀で囲まれた空間の中には、情趣に富んだひとつの美しい宇宙が形成されていました。

和の家具、洋の家具、中近東の絨毯やうつわ、中国の茶器と岩茶など世界中からふとした縁でこの小宇宙にやってきたものたちが、日々是好日の精神のもとに結びあわされているのです。

▼大谷石のえんがわに座って

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます