カフェ/三軒茶屋・駒沢・下北沢・荻窪のカフェ

moi(モイ)…吉祥寺(3ページ目)

荻窪の小さな名店が吉祥寺に移転オープン。北欧の清澄な空気感に満ちた店内にはカードショップも併設。“森林浴ケーキ”とaalto coffeeの豆を使った深みのあるコーヒーを楽しみつつ友人に絵葉書を書いてみませんか。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

korttiの写真
ポストカードショップkortti

コーヒーの香りの中で、ポストカードを1枚

しおりの写真ポストカードショップとカフェとは、なんと相性の良い組み合わせでしょう。私は旅先のカフェで、あるいは日常のカフェで、しばしばコーヒーを飲みながら友だちに葉書を書いて過ごしており、また友人たちの中にもそんな楽しみを持つ人々が少なくないのです。

moiに併設されたカードショップ「kortti」(コルッティ)は、通りに向かってガラス窓ごしになにやら楽しげな気配を投げかけてやまず、行き交う人々が次々に足をとめて店内をのぞいていきます。
色とりどりのカード群の中には、コーヒーをめぐる風景をテーマにしたコーナーがあったり、季節のグリーティングにぴったりのコーナーがあったり。ショップのロゴ入りの素敵なしおりも作られていました。(写真)

北欧の屋台風ホットドッグと、森林浴シフォンケーキ

おなかを満たすメニューには、荻窪時代からの人気の一品「サーモンの北欧風タルタルサンド」のほかに、「スカンジナヴィアン・ホットドッグ」(800円)が新登場。
さっそく注文してみましたが、表面はかりっと、中はふんわりあたたまったデンマークのパンと、そこから大胆にはみだしたソーセージのおいしさもさることながら、酸味のやわらかな、少し甘めのピクルスとの取り合わせが絶妙なんですよね。

WILL Cafeの来栖麻子さんが手がける香ばしいお菓子も変わらずに楽しめます。吉祥寺のmoiに新しくお目見えしたシフォンケーキ(500円)は、北欧の森の空気をイメージしたさわやかな風味。きめこまかなしっとりした生地の中から、ローズマリーとミントが繊細に香る名品です。

パンのメニューにもスイーツにもぴったりなのが、徳島の自家焙煎珈琲店aalto coffee(アアルトコーヒー)の豆を使った、豊かなほろ苦さが魅力のおいしいコーヒー。注文ごとに1杯ずつ新鮮な豆を挽き、こまやかにハンドドリップされています。

moi=「やあ!」

moi(モイ)はフィンランド語で「やあ!」を意味するフレンドリーな挨拶の言葉。カフェの名前を通して初めてこのフィンランドを覚えた私は、映画『かもめ食堂』でKiitos(キートス)=ありがとう、を覚えました。じつは、私が知っているフィンランド語は、モイ、キートス、そしてサルミアッキの3つだけです。

街の中で1軒の小さな気持ちのよいカフェに出会う喜びは、雑踏のむこうになつかしい友人の晴れやかな笑顔をみつけ、その友人が「やあ!」と手を上げて近づいてきたようなもの。吉祥寺に誕生したmoiは、とびきりの「やあ!」を聞かせてくれました。その「やあ!」だけで、1日を機嫌よく過ごせてしまうものなのです。

▼moiのメニューとショップデータはこちら

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