真新しい空間に、5年の月日を刻みこんで
荻窪から吉祥寺に移転した理由はなんでしょうか?
「移転については頭のどこかでつねに考えていましたが、吉祥寺という土地を選んだことについてはまったくの偶然です。出雲大社で『よい土地と巡り会いますように』とお願いをしたそのほぼ一ヶ月後、知人から吉祥寺の物件の話を聞き、つまりはそういうことなのだろうと吉祥寺に店を移す決心をしました。
それに、吉祥寺は荻窪時代のお客様にとっても親しみのある街なので、そういう意味で好都合ということもありました」
新しい店舗をつくるにあたって大切にしたことは?
「新しい空間のなかに、荻窪で過ごさせてもらった5年という時間をいかにさりげなく刻みこむか、ということ。ちなみに店内に一カ所、荻窪とほぼまったく同じ場所があります。どこだかおわかりになりますか?(笑)」
荻窪moiを愛した皆さまなら、あ、あそこだ!と気づくでしょうか。さて、新moiのチャームポイントは?
「にぎやかな表通りとおだやかなカフェとのコントラスト。腰掛けると木立に囲まれたような印象を受ける内装。お向かいの魚屋さん」
実際に吉祥寺でカフェをスタートさせてみて、どのようなご感想を抱かれましたか?
「吉祥寺は、あたらしいお店が次々とできるような活気あふれる街である反面、生活の匂いやざわめきがつねに感じられるとてもヒューマンな土地という印象です。お客様も地元の方と遊びにこられた方とがブレンドされている感じで、きっとそのブレ ンドの具合がこれからのmoiの『色』をつくっていってくれるのではと楽しみにしているところです」