外人住宅を1軒まるごと改装したカフェ。アメリカ人男性と沖縄の女性の間に生まれたオーナーは、父親の顔を知らないといいます。各部屋からお客さまの笑い声が聞えてくるカフェは、夢に描いた幸福なホームのよう。
川口 葉子
カフェ ガイド
ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』（祥伝社）、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』（実業之日本社）他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。
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カフェのキッチンに立ち、洋食作りの腕に磨きをかける毎日。沖縄の人々のおおらかさが好きだという。
「ぼくはサックスを吹くのが趣味でしたが、東京では四十歳をすぎてミュージシャンを志すなんて言ったら、まだやってるのと笑われてしまうでしょう？ 沖縄では『がんばれよ』と励まされるんです（笑）」
父を憎んだ時期もあったけれど、結婚して自分が父親になってからは、憎む気持ちが消えたそうだ。
「彼はこの子のおじいちゃんなんだと思えるようになったのです」
男性は九年前にネブラスカで亡くなっていたことが、つい最近あきらかになったという。
