美食の町リヨンの郷土料理を中心に
お料理を担当するのはNid Cafeのほか、VIRON、有名フレンチレストランなどの厨房で修業を重ねてきた大杉豪さん。ル・リオンの店名も、フランス語のライオンとリヨンをかけているそう。
「美食の町と言われるリヨンに滞在して郷土料理を食べ歩いたのですが、ジャガイモや玉ネギなど種類の豊富な農作物に恵まれた土地で、郷土料理が素晴らしいんです。昔から、その土地で収穫されたものを人々がおいしく食べようと工夫してきた歴史があるから」
大杉さんを魅了した食べもののひとつは、リヨン名物として有名なシャルキュトリー、つまりベーコンやハム、リエットやパテなどの豚肉加工品。
「中央市場に行くとシャルキュトリーのお店が軒をつらねています。それを食べ歩くのが楽しかったですね」
その経験はル・リオンのメニューに存分に活かされ、厨房では驚くほど手のこんだ料理が作られています。たとえば、ワインの肴にぴったりの「豚肉の頭のテリーヌ」(\1200、写真)は、豚の頭部をまるごと買ってきてうぶ毛を取りのぞく下ごしらえから始まります。各部位を細かく刻んでテリーヌ型に固めたその味は、舌のさまざまな経験を楽しんできた大人に喜ばれそうな味わい。他にも多数のリヨン料理が登場します。ワインもコストパフォーマンスの良い南仏ものが何種類も揃えられていますから、ぜひ、メニューが豊富な夜の時間帯にどうぞ。
▼大杉シェフに教わったレシピ…リヨン風ポテト
カフェのお楽しみ、スイーツも豊富
スイーツはNid Cafeのスタッフから初代eau cafeの店長となって活躍し、その後フランスに滞在、帰国してからはQahwaのスイーツ担当として働いてきた金原里美さんが腕をふるいます。Qahwaで金原さんに教わったモロッコ料理「ベルベル族のオムレツ」は今やうちの定番料理のひとつ。私はタジン鍋のかわりにル・クルーゼのお鍋を使ってしまいます。