ダダカフェ外観

新旧の交錯する代々木駅前に

JR代々木駅前にそびえるNTTドコモタワーは、きわめて21世紀的な景観。しかし、そのすぐ向かいの路地には古い木造家屋が並び、まだ昭和の匂いが色濃くたちこめています。世紀をまたがった2種類の建造物が脈絡もなく並んでいる光景が、いかにも東京らしい面白さ。

DADA CAFEはそんな路地裏の2階建て一軒家を改装して、2005年11月にオープンしました。家屋が建てられたのは昭和15年。当初は呉服屋だったものが、住民が入れ替わっていくにつれ普通の住居となり、リフォーム時にビニールのクロスが壁に張られたり、庭にプレハブ小屋が建てられたりして、風情や美意識とはおよそ関係のないところで、日々の健全な生活が営まれていたようです。それをDADA CAFEの人々が再び元の姿に戻し、自分たちの手で壁に漆喰を塗り、庭に草花を植え育ててきました。

ダダカフェの入り口


青空のまばゆい正午前。狭い路地のつきあたりまで歩いていき、ざらざらした白壁に小さなオレンジ色の「DADA CAFE」のプレートが立てかけられているのを見つけました。開けるときにがらがらと音を立てそうな引き戸の前に、錆びついた小さな椅子が置かれています。こんにちは、と声をかけて足を踏み入れたDADA CAFEは、家屋も庭も、そして笑顔で立ち働くあたたかなスタッフの姿も、「少し昔の、ふつうの家」の魅力に溢れた場所でした。

▼「こんなところに、こんなものが」の喜び。