10年、20年、続けられるカフェを
宮越屋珈琲店で働いていたオーナーは、古い喫茶店のコーヒーの味が好きだと語ります。「作る側の理屈が多いのは好きじゃない。淹れる人によって微妙に味が違う、昔ながらのコーヒーが好きですね」
そんな彼の元には、前に働いていたお店で顔なじみになったお客さまたちが通ってきます。
「結局、コーヒーは人だと思うんです。淹れる人に対して安心感があるかどうかでしょうね」
流行にとらわれることなく、10年、20年とこの場所でカフェを続けていきたいと語るオーナー。夜遅い時間に、男性がふらりと入ってきてオーナーに軽く目礼し、ひとりで窓際のソファに座って本を読みながらコーヒーを楽しんでいました。もしもこのカフェが東京の街角にあるなら、きっと私もそういう使い方をするに違いありません。