ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

ブルゴーニュで会ったこの人のワインを飲む(6ページ目)

ブルゴーニュの現地取材で、この地方屈指の銘醸地ヴォーヌ・ロマネ村のワインを造る生産者たちに会った。じっくりと飲みたくなったワインを造っていたのは、こんな人たちだった。

執筆者:橋本 伸彦


2006年はピュアでフルーティー

パスカル・ラショー氏と、ロベール・アルヌー氏の娘で奥さんのフローランスさん
ドメーヌ・ロベール・アルヌーの醸造家パスカル・ラショー氏は2006年ヴィンテージを全てボトリングし終わって「ピュアでフルーティー、そしてクリーンな風味のヴィンテージ」と評する。

彼は何よりテロワール(地域性)の表現を重んじるのだという。2006年のヴォーヌ・ロマネ村の1級畑レ・ショームは程よくやわらかなコクがあり、ふくよかでバランスがいい。それに対し、同じ村の1級畑レ・スーショはややスパイシーでスモーキー。柑橘系のほろ苦さを思わせるインパクトがある。

格上の特級畑リシュブールをレ・スーショの前に試飲するように言われ戸惑ったが、味わってみるとリシュブールは樽香こそ強めだが全体に精妙な深みがあってエレガントなので、レ・スーショの後では妙に影が薄くなってしまうからだった。さすが自分のワインを知り尽くし、大切にしているのだ。

ブルゴーニュを代表するような生産者に、次々と会って話を聞いた。ワインを味わってみると、彼らの性格や生き方が風味の中に反映されているのが感じられる。誰にどんな造り方を教えてもらったとしても、自分の造るワインは自分そのものの表現にしかなり得ない。そんな個人的なワイン造りが、やはりブルゴーニュの魅力である。

彼らのワインについてもっと知る>>
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