濃厚から繊細、そして自然な味わいへ
だが2005年ヴィンテージのワインを試飲して、その変わりようにまた驚かされた。彼自身、「酒商を始めた当時のメッセージは今とは違った」と明言するのだが、かつての濃厚さは影をひそめ、しなやかさとしゃっきりとした味わい、そしてキレの良さが際立つ。「現在はテロワールが表に出て、造り手は陰に隠れるようにするべきだと考える。そのためにも、古木の中でも最上のものを探すことが大切。樽香は5年から10年で味わいの中にきれいに溶け込むようにしている」という。
かつて閉鎖的なブルゴーニュに外部から革新的なアプローチに挑み、市場で求められるスタイルを巧みに具現化することで評価を得てきたローラン氏。高樹齢・低収量のブドウを使用するという方針は当初から変わらないが、彼がいま志向するのは自然なワイン造りによるテロワールの表現である。
かつて彼の代名詞として議論を呼んだ「新樽200%」だが、もとよりそれは特級畑などごく一部のワインのみで1級畑や村名ワインなどは新樽の割合は調節されていた。こうしたきめ細かなワイン育成によって、ドミニク・ローランは再びセンセーションを呼ぼうとしている。
関連リンク
■ オエノングループ
ドミニク・ローランのワインを輸入している山信商事のサイト