浅草大衆演劇の「大勝館」は大正末期から昭和初期に大隆盛だった。

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▲演劇を見る方の「大勝館」入り口。
大衆演芸場である「大勝館」の歴史は古く、大正五年の「浅草六区」の地図にもその名前が記されている。しかし、昭和40年代に閉鎖され、その後、30年も眠っていた。ところが21世紀になって「大勝館」は復活したのである。
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▲食事をする方の「大勝館」入り口はすぐ右横にある。
その「大勝館」と同じ建物内で隣にあるのが大勝館の「食事処」である。看板にはそうとしか書いてないので「大勝館」なのだと思う。定食や酒を含む飲み物などがあるのだが、ここで意外な味のラーメンを食べられるのだから驚く。
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▲店内には座敷もある。
店内は思ったよりも広く、奥には座敷がある。でも、そんなに埋まったところは見たことがない。演芸の打ち上げにでも使うのだろうか?
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▲下町の食堂という言葉がぴったりの雰囲気。
最初にここを訪ねたのは土曜か日曜。昼間なのにお酒を飲んでる人、多数。競馬新聞を片手に赤鉛筆を握る人も少なくない。テーブルのみのそんな店である。テレビも付いている。おそらく土日は競馬中継だろう。


なんと、あの「大勝軒」のつけ麺が食べられる

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▲1日限定30食のつけ麺は「大勝軒」製。
この店は年中無休で24時間営業。しかも、定食やお酒を置いてある食事処である。普通、こういう店を私が紹介することはない。ところが、紹介すべきネタがここにはあるのだ。今や全国的人気店になった東池袋の「大勝軒」。なんとなく店名がここに似ているが関係はない(はず)。関係はないのだが、ここでその「大勝軒」のつけ麺が食べられるのである。

私も最初は信じられなくて、騙されたつもりで行ってみたのだが、確かにあるのだ。しかも、聞いたところによると毎日、東池袋から麺とスープを運んでいるのである。つまり、「あの味」そのまんまのつけ麺を食べることができるのである。

1日30食限定、12時から無くなるまで。夕方まではたいがい大丈夫らしい。聞いてみたら「前の日に残ることもあるから、それも使うので夜まで残ってることも多いね」なんていう答えが返ってきた。作る人によって、麺の茹でムラはありそうだが、これが意外と旨いのである。

そりゃ、有名店の味を「持ってきている」わけだから、旨くて当然。しかも、麺が意外と固めに茹で上げており、これは印象が本家と違うのだが、それはそれで旨いからびっくり。最近、「大勝軒」がどんどん増えているが、中途半端なそういう店よりも旨いのではないかと思う。そんなマスコミには載らない隠れた穴場の情報なのである。

さらには熊本で全国的な人気のある「黒亭」のラーメンも食べられる。

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▲ニンニク風味が効いた熊本ラーメン「黒亭」。
さらに驚くことがある。これは最近の話だが、熊本で有名な「黒亭」のラーメンも食べることができるようになったのだ。東池袋「大勝軒」と熊本「黒亭」では共通項が無く、ある意味一人複合施設のようだ。

ただし、これはまったく同じ味ではない。油が少々きつい。でも、ニンニク風味が効いて、これもなかなか食える。本店と比較しなければ、の話だが。ちょっと思うことあるが、未確認なのでここでは書けない。

こんな変わった店ではあるが、なんとなく私なりに浅草らしさを感じ、そして旨い「大勝軒」のつけ麺をいただくことができる。時代もトリップし、場所もトリップできる、たまにはこういう店で食べてみるのも楽しいものではないだろうか?

【DATA】店名: 大勝館 最寄駅: 浅草  住所: 台東区浅草2-10-1  TEL: 03-3843-6013 営業時間: 24時間営業  休日: 無休 メニュー: つけ麺650 黒亭ラーメン600
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【連載】東京風景、街角の味。Vol.22(前の連載)はこちら→→→
■この連載、前回私が書いた記事はこちら(荒木町編)→→→
■さらにその前の連載はあの激戦区・恵比寿の店を記事にしました。→→→
■東池袋「大勝軒」のことを書いた記事はこちら→→→
■浅草の新しい人気店「つしま」のことを書いた記事はこちら→→→
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