ラーメン/中国・四国のラーメン

「味」のある店探しもたまにはいいんじゃないか。 味屋(岡山・高梁)

旨いだけが「味」ではない。街並み、お店、ご主人、奥さん、店員、時には猫でさえもその店の雰囲気を作る「調味料」であり「スパイス」である。食べ歩きはそんな「味」のある店探しだ。

大崎 裕史

執筆者:大崎 裕史

ラーメンガイド

地方に行く場合は、新規店で勢いのある店はもちろんとして、老舗や「味のある店」にも行ってみたい。今回、岡山に行くに当たって地元のラーメン好きに「味のある店」を聞いてみた。

返ってきた答えは「味屋」。た、確かに「味」のある店だ。。。

「味」のある店

▲「味屋」の外観
▲「味屋」の外観。知らずに来たら通り過ぎると思う
実は高梁市というのは、その名称すら知らなかった。岡山駅から車で高速を使って約1時間。山あいの町にたどり着くと初めて来た町なのに、どこか懐かしさを感じる。そう、私の田舎に通ずる風景があるのだった。蔵もあり、それは喜多方にも似ている。少し町並みを散歩して店の前にたどり着いた。正直言って、何の情報もなかったら、中には入らないかもしれない。しかし、情報があると外観すら「味のある店」に変わってしまうから面白い。

シンプル・イズ・ベスト

▲「味屋」のラーメン
▲「味屋」のラーメン。すっきりシンプル。
店内に入ると、まさに昔ながらの食堂の雰囲気。そばやうどん、そしておでんもある。私が子供の頃は、こういうお店でよくラーメンを食べたものだ。店に来たのも当然初めてだが、妙に懐かしい。ラーメン(450円)を注文する。年季の入ったご主人がラーメンを作る。出てきたラーメンは透明感のあるスープ。後で聞いたら、どちらかといえば塩ラーメンらしい。醤油は色づけ程度かも。いりこが効いていたり、かまぼこが入っていたり、海を感じさせるのは、そもそもが尾道にいたからだそうだ。

私にとっての名所旧跡

胡椒が最初からたっぷり入っているのもユニーク。正直言ってランキングで上位に推すようなラーメンではないかもしれない。しかしながら、私にとっての「味のあるラーメン」はまさにこういうラーメンである。地元の推薦者に感謝したい。そして、こういうラーメンとの出会いを求めて全国を食べ歩きをしているようなものでもある。それとともに、長年やってきたお店では、ご主人の人柄も滲み出てくる。そんな人柄に触れるに付け、旅もまた楽しいのである。名所旧跡を見ることよりも昔ながらのラーメン店に行くことの方が私に取っての何よりの「観光」なのだ。

【DATA】店名:味屋 住所:岡山県高梁市本町74 TEL:0866-22-2568 営業時間:11:00-1:30  休日:火曜  メニュー:ラーメン450 わかめラーメン550 みそラーメン550 他
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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