ラーメン/関東のラーメン

竹岡式ラーメンの元祖「梅乃家」がFC展開?

乾麺を使い、ダシを取らずに麺を茹でたお湯でスープを作るという、なんとも不可思議なラーメン「竹岡式」。これでお店が繁盛しているから面白い。しかもチェーン展開を始めた。

大崎 裕史

執筆者:大崎 裕史

ラーメンガイド

竹岡式ラーメンとは?

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▲竹岡式ラーメンの元祖「梅乃家」の外観
千葉県富津市に「竹岡」という漁港がある。そこで人気の一軒が「竹岡ラーメン」を普及させたのである。その元祖のお店が「梅乃家」。もう創業50年を超えてるらしい。写真を見てもわかるように建物には「梅の家」となっているが店主が書いた著書を見ると、どうも正式には「梅乃家」のようだ。

外観は写真を見てもわかるように飲食店どころかラーメン店にも見えない。しかし、時には十人以上も並ぶことがある人気行列店なのだ。「梅乃家」は自ら「竹岡ラーメン」と名乗ったことはない。おそらくマスコミか、商売ッ気を持った人が付けた名前なのであろう。

「梅乃家」のラーメンの特徴

この写真が「梅乃家」のラーメンでたったの500円である。写真はプラス40円で薬味(玉ネギ)のトッピングをしてある。ここのラーメンの特徴は
1.長ネギではなく玉ネギを使用している。
2.チャーシューがたっぷり。
3.麺が生麺ではなく乾麺を使用している。
4.スープ(ダシ)は麺を茹でた「お湯」を使っている。
5.麺茹では、炭を使った七輪で茹でる。
などなど。

ここで使用している玉ネギは辛くない。むしろ甘味があるほどに優しい味わいである。なので、私はいつもヤクミ(お店ではこう書いてある)をトッピングする。そして、この店をここまで人気にしたのはチャーシューの旨さであろう。地元の醤油を使って煮込んだというチャーシューは実に旨い。柔らかく濃いめの味付けがなされており、白いご飯が欲しくなる。これが500円のラーメンに「チャーシューメン?」かと思うほどに入ってくる。チャーシューメンは600円だが10枚以上入っているのではなかろうか。

使用している麺は乾麺。私も全国何千軒と食べ歩いているが乾麺は珍しい。(一時期都内にもあったが今は休業中)言ってみればインスタントラーメンのようなのだ。しかし、「梅乃家」のラーメンは乾麺でなければならないのだ。生麺は茹で加減が難しいが乾麺だと茹で上げやすい。「梅乃家」で働くおばさん(失礼)達でも作りやすいように乾麺を使用しているとも言う。しかし、この乾麺が実に合う。後述するが都内の「梅乃家」は生麺使用で食感は全然違う。そしてこの乾麺を七輪で茹でるのも「梅乃家」のこだわりだ。

そして、一番驚かされるのがスープ。他のラーメン店が一番気を使い、一番時間をかけているであろうスープ作り。「梅乃家」のダシは麺を茹でた「お湯」なのである。その「お湯」でチャーシューの煮汁を割ったのが「梅乃家」のラーメンのスープになるのだ。それでいて、行列が出来るほどの人気ラーメン店になるのだから、他のラーメン店主がこれを食べたら驚くに違いない。実際、「博多一風堂」の河原さんや「支那そばや」の佐野さんも訪れて、驚嘆の声をあげている。


店名:梅乃家 住所:千葉県富津市竹岡401   TEL:0439-67-0920 営業時間:8:30-19:00  休日:火曜、不定休有り メニュー:ラーメン500 チャーシューメン600



富士屋@木更津

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▲姉ヶ崎にある「富士屋」も人気の一軒。写真は木更津店。
房総を中心に千葉県にはこの「梅乃家」に影響を受けた店が沢山ある。その一つが「富士屋」で歴史もある。カウンターに座るとラーメンの製作過程を眺められるが確かに鍋で麺を茹で、その湯を丼に入れている。味わいとチャーシューのボリュームは「梅乃家」とは違うが確かに「竹岡式」と言える。


「梅乃家」は弟子を持たず、暖簾分けや支店もない。なので、「梅乃家」は一軒しかなく、他の店は今風にいえば「インスパイア系」であり、何の関係もない。そのため大きな特徴である「乾麺」を使用している店は少なく、玉ネギではなく長ネギの店もある。「梅乃家」ほどのサービス的なチャーシューはなかなか見ることはできない。

店名:富士屋 木更津店 住所:千葉県木更津市清見台東2-2-15   TEL:0438-98-7173 営業時間:11:00~20:00(売り切れ次第閉店)  休日:月曜休み 店名:富士屋 住所:千葉県市原市姉崎1007   TEL:0436-62-9160
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