ラーメン店はだいたいが11時開店。だから地方に泊まった時の朝はそんなに早くはない。しかし、名古屋に泊まったこの日ばかりは朝8時半に名古屋のホテルに集合。地元の人が「ぜひに」と連れて行ってくれる店まで2時間半近くかかるというのだ。これはまた気合いが入っている。高速を使い、山あいを抜けてたどり着いたのは「一冨士」という店。

気持ちの入った一杯のラーメンと接客の善し悪しが気持ちを変える

テーブル席を中心にこあがり(座敷)もある家族向けのアットホームなお店。厨房内では寡黙にラーメンを作るご主人。接客は奥さんと女性陣。私はこういう組み合わせのお店も結構好きだ。ご主人は一生懸命おいしいラーメン作りに専念し、接客を奥さんが一手に引き受け、しかも笑顔の絶えない明るい雰囲気作り。気づかいや心配りもお見事で気持ちも晴れ晴れする。

ラーメン(ここでは中華そば)は松阪市にある老舗「不二屋」の味を受け継いで30年にもなるという。ダシは煮干し、鯖節、鰹節などの魚系のみ。豚や鶏は使ってない。その和風のダシを小鍋に入れて、そこに豚肉とキャベツ、玉ネギ、人参などの野菜を加えて、しばし煮込んだモノが中華そばのスープになる。味付けは醤油と塩の中間。

熱々のスープはすっきりさっぱりしながら野菜の旨味と甘味が混ざり合い、これはこれで好みの味である。麺がやや固めの独特の麺で、もしかしたらちゃんぽんの方が合うかも?と思った。ただ中華そばに合わないということではなく、一般受けとしてはどうなのだろうか?とちょっと気になった程度。

▲「一冨士」の中華そば。野菜がいっぱい入っているがこれでも基本メニューである。

気持ちよくお店を後にできることがその店へのリピートや口コミに繋がる

個人的には大変おいしくいただけた。何より、先ほども書いたが心配り気づかいが素晴らしいのだ。水が無くなれば、言わずとも注がれて、ちょっとした質問にも笑顔で丁寧に答えてくれる。町の人にとっては心のオアシスになっているのではないだろうか。

正直な話、ラーメンがおいしくても店を出て「二度と来ないだろうな」と思う店もある。味が全てではないのだ。私にとっての「ラーメン」は、お店の戸を開けて店に入ってから、ラーメンを食べ終えて、また戸を閉めてお店を出るまでが「ラーメン」。食べるという行為はその一部でしかない。「味」の占めるシェアは高いけど、気持ちよくお店を後にできるどうか、も大きい。そういう意味でこの「一冨士」は、おいしくそして気持ちよくお店を後にできた。景色も良く、水も美味しく、旅行気分も満喫できて、遠いけどお薦めできる一軒である。

ホームページを見るとお土産ラーメンがあり、作り方も書いてある。そこで私は面白いことを発見した。茹でた麺を一度水で締めるように書いてある。ということはお店でもやっているに違いない。それでコシのある麺ができるのであろう。家族的な店だからこそのきめ細かさ、手の加え方などがあるのだと思う。ますます気に入った。

先週の岡山でもそうだったが、地方の食べ歩きはラーメンとの出会いと共に、そんな「人ガラ」との出会いがまた楽しいのである。昨夜遅かったので早起きはつらかったが、眠気も吹っ飛んでしまうほどの満足感を得ることができたのである。

【DATA】店名:中華そば 一冨士  住所: 三重県多気郡大台町佐原456-2  TEL: 0598-82-2072 営業時間: 11:00-20:00 休日: 水曜 メニュー: 中華そば600 コーン中華そば650 ワンタンメン650 野菜ワンタンそば700 味噌中華そば700 カレー中華そば700 チャンポン700 味噌チャンポン800 カレーチャンポン800 他、多数
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●「一冨士」のホームページ
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■実はここに行った日の午前2時はこの店にいた。→→→
■ここに行った前の週も地方でラーメンを食べていた。→→→
■中部地方のラーメン情報はこちらを参照。→→→