東京には「大勝軒」という店名が多い。しかもそのうちの2軒は超有名店だ。よく聞かれる質問の中で多いのが「大勝軒という店をよく見かけるんですが関係あるんですか?」。
まず、今回紹介した東池袋にある「大勝軒」のグループ。そして、永福町にある「大勝軒」のグループ。そして、それ以外。
今回紹介している東池袋の「大勝軒」は、ラーメン好きには知らない人がいないほどの有名行列店だ。しかも、行列を40年近くも継続させているという奇跡的な店である。店主の山岸さんはラーメン界の中でもカリスマ中のカリスマである。ラーメン道50年、「大勝軒」40年という歴史を作ってきた人だ。
山岸さんは丸長グループの店で10年働いた後、1961年に自分の店「大勝軒」を持つ。この店が一番有名であるためにここが“元祖”と思われている方も少なくないと思うが、丸長グループの「大勝軒」としては代々木上原にある「大勝軒」が本店である。他には中野・川崎(中野島・栗平)・野方・西台・新中野・祖師谷大蔵にある。それぞれ店名は全て「大勝軒」で、これらは丸長グループになる。
そしてややこしいことに東池袋の「大勝軒」出身の「大勝軒」もある。これらは丸長グループではないが広義の系統としては同じである。それが滝野川・北習志野(店名は北習大勝軒)・佐貫・岐阜・西宮・小樽などをはじめとして、ここ数年で全国に沢山できた。すべて山岸さんの元で修行をして暖簾分けをした店である。
これらの店の共通点は「もりそば」があること。(いわゆるつけ麺。呼び方が違う店もある)そして、総じてボリュームが多い。また、つけ麺のつけ汁に砂糖・辛味・酢を加えていることも大きな特徴である。いわゆる、甘辛酸っぱいつけ汁である。麺を冷たくして温かい汁に付けて食べる、というのも凄い発見(発明?)だがその汁に砂糖・辛味・酢を加えるというのもある意味、かなりの冒険だと思う。卓上に置いて自由に加えて貰うのではなく、最初から入っているのだから、それが完成型なのである。系列店以外でもこの方式を取り入れているところは多数あるがそれはほとんどがこの味を参考にしているはずである。
味の方向性は同じだが店ごとに随分と違いが見られ、それらのお店を食べ歩くのも一つの楽しみ方である。
★大勝軒の味を引き継ぐラーメン店【記事】
■丸長のれん会のページ
【DATA】東池袋 大勝軒 最寄駅:池袋/東池袋 住所:東京都豊島区東池袋4-28-3 TEL:03-3981-9360 営業時間:11:00-15:00 休日:水曜 メニュー:もりそば650 あつもり650 チャーシューもりそば950 中華ソバ630 チャーシュー麺930 シナチクラーメン910