とびきりおいしい水牛のモッツァレラをぜひご賞味あれ!
今回いただいた5,800円のコースは、2種類の前菜、パスタ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒー、小菓子の流れ。まず、2種類の前菜には、「水牛のモッツァレラのカプレーゼ」と「平目のカルパッチョ」が出ました。
驚いたのは、モッツァレラの美味しさ。噛むほどに、ミルクの甘みが口の中にじわーっと広がっていきます。時折、アクセントになるのが、あらかじめ散りばめられたマルドンの塩。結晶が大きい分、ざっくりとした塩味を印象づけます。
やはりモッツァレラは、牛乳から作られたものより、水牛の乳から作られたものの方が味わいが豊か。この日、一緒にいた友人はモッツァレラがあまり好きではなかったのですが、「これだけは別!」とおいしそうに平らげていました。人参に見える角切りのトマトゼリーも、遊び心があって楽しい演出。
クリーミーなコクが魅力の自家製タリアテッレ。
ひと口食べてまず思ったのは、クリーミーであること。見た目はそれほどソースがついていないので、ちょっと意外でした。コクもあるので、バターがたっぷり使われているのかと思ったのですが、聞けば、ここではお料理の後味が重くなるので、生クリームやバターはあまり使用しないそう。
ならばなぜこんなにまろやかなのか。その理由は、オリーブオイル。エシャロットやベーコン、ドライポルチーニなどでしっかり取ったブイヨンソースに、パルメザンチーズとオリーブオイルが加えてあるのです。
キノコは、築地で仕入れたという生のアガリクスを使用。普段あまり食べ慣れない食材ですが、クセの少ないエリンギやしめじの味わいの中に、軽く重なる苦味で、その存在を確認させました。
なめらかな口どけを愉しむカカオバター仕立ての一皿。
メニューを見た瞬間から、帆立貝とカカオバターがどんな味わいを出してくるのか興味津々でしたが、食べてみるといつもよりちょっとしっとりした帆立貝といった感じ。
カカオバターと言うと、チョコレートの原料のひとつでもあるので、つい甘いイメージを抱いてしまいますが、それ自体は甘みのないホワイトチョコレートのようなもの。油脂が持つ口どけが帆立の甘みと調和し、上品な一皿に仕上がっていました。
この組み合わせに到達するまでに作られた試作品には、鰤や中トロなどもあったそう。でも、やはりカカオバターと相性がいいのは白身魚。その中でも、特によく合ったのが、帆立貝や的鯛だったそう。横に添えられた赤キャベツの酸味が、後味をさっぱりとしてくれました。
次ページでは、3層のミルフィーユのメインとアルマーニスタイルのデザートをご紹介します!